「正男氏の息子」保護団体が「臨時政府」発足宣言 「圧制者への抵抗」呼びかけ

「正男氏の息子」保護団体が「臨時政府」発足宣言 「圧制者への抵抗」呼びかけ

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脱北者支援団体とされる「千里馬民防衛」が2019年3月1日、「自由朝鮮」と名称を替えて「臨時政府」を発足させたとサイト上で表明した。

同団体は、北朝鮮の金正男氏(金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄)が暗殺されたあと、正男氏の息子であるハンソル氏ら家族を保護したとして、ハンソル氏だとする動画を公開(17年3月)したことで知られる。19年2月25日、サイトで「今週、重大発表がある」と予告していた。

団体の実態は「ベールに包まれている」

サイトの3月1日の更新では、ハングルと英語で「臨時政府(a provisional government)」の発足をうたい、「北朝鮮の人民を代表する単一の、公正な組織であることを宣言する」とした。「体制の中でこの宣言を聞く」人たちに向け、「公然と挑戦し、あるいは静かに抵抗せよ」と「圧制者への抵抗」を呼びかけてもいる。拠点がどこかの情報や、ハンソル氏については触れられていない。

動画(約7分30秒)も掲載されており、宣言文を読み上げるチマ・チョゴリ姿の女性が映っている。正面や側面からの撮影の際には顔部分にモザイクがかかっており、後姿の場面もある。場所は韓国内の公園とみられ、女性からやや離れた距離で園内を散策する人たちの姿が映る場面もある。

こうした内容は、共同通信や産経新聞(ウェブ版)なども報じている。韓国メディアの朝鮮日報(韓国語ウェブ版)記事では、動画の女性が朗読している場所について、ソウル市内の公園と推定されるとして具体名も挙げている。また、「千里馬民防衛」に関して、「構成と組織、特定の国の支援の有無などはベールに包まれている」と指摘した。

米朝首脳会談が不調に終わった直後のタイミング

2月25日に「千里馬民防衛」サイトが「週内の重大発表」を予告した際の朝鮮日報(日本語ウェブ版)記事によると、その段階では、昨18年秋に行方が分からなくなった北朝鮮の前イタリア大使代理の亡命情報の公開などの可能性があると指摘していた。

また、今回の宣言があった日と同じ3月1日は、日本による植民地支配下の朝鮮半島で解放を求めた「3・1独立運動」から100年に当たり、韓国で式典が行われた。また、ベトナムで行われていた米朝首脳再会談が、合意に至らないまま終わった(2月28日)直後のタイミングでもある。「臨時政府」宣言が、金正恩氏の体制へ何らかの影響を与えるのか否か、行方が注目される。