東大生のわいせつ事件描いた『彼女は頭が悪いから』 東大生協で「2018年最も売れた本」に

東大生のわいせつ事件描いた『彼女は頭が悪いから』 東大生協で「2018年最も売れた本」に

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東大生の集団わいせつ事件を扱った姫野カオルコさんの小説『彼女は頭が悪いから』が、東京大学生協駒場書籍部の2018年文芸書ランキング1位(1月〜12月)になっていることがわかった。出版元の文藝春秋が2019年3月12日、明らかにした。

同書は2016年に東大生5人が起した強制わいせつ事件に着想を得て、人々の妬み、スクールカーストによる格差意識などが交錯し、おぞましい事件につながってゆく様子を描いた小説で昨年7月の刊行。すでに8刷になっている。

トークイベントやインタビューも

本書を巡っては昨年12月に東大駒場キャンパスでブックトークイベントが開催され、東大内外から約250人が参加。「東大生をひとまとめにして貶めるということ以外は成功していない」、「責めるべき対象は小説ではない。小説は重要なきっかけ」など議論が紛糾した。

今年2月には東大新聞オンラインが「『姫野カオルコ「彼女は頭が悪いから」ブックトーク』レポート〜『モヤモヤ』とともに振り返る〜」、「『彼女は頭が悪いから』作者・姫野カオルコさんインタビュー小説に込めた思いとは」、「姫野カオルコブックトーク主催者林香里教授に聞く不十分だった性暴力反対の議論」といった記事を掲載。今年に入ってからも、文芸書のなかで上位の売行きが続いているという。

現実の事件が発覚した後、被害者が「前途ある東大生より、バカ大学のおまえが逮捕されたほうが日本に有益」「この女、被害者じゃなくて、自称被害者です。尻軽の勘違い女です」などとネットで叩かれる二次被害も発生した。

東大特有のスクールカースト

姫野さんは東大特有のスクールカーストが存在することも背景にあると同書で指摘。地方の公立高校出身者より首都圏や関西の有名中高一貫校出身者(開成、麻布、筑波大附属駒場、灘、桜蔭など)が幅を効かす。理科三類を頂点に合格最低点が高い類ほど尊敬を集める。また3年の学部進学時の難易度により、学部学科のヒエラルキーが厳然と存在する。そうした複合的な差別構造が東大内部にはあることなども詳しく書いていた。

作品の中で、著者の姫野さんが上記のような東大生の内情をこれでもか、と切り刻んでいることも、東大で同書がベストセラーになっている理由のようだ。10日に合格発表があった東大。新入生は、まず手にする本になるかもしれない。

J-CASTでは東大関連本でこのほか『東大を出たあの子は幸せになったのか』(大和書房)、『東大生の本の「使い方」』(三笠書房)なども紹介している。