池袋暴走事故で「執行猶予が付く理由はない」 元検事・大澤孝征弁護士の見解は

池袋暴走事故で「執行猶予が付く理由はない」 元検事・大澤孝征弁護士の見解は

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東京・池袋で母子2人が死亡、10人がけがをした暴走事故で、遺族は、運転手に対して「相応の罪を償ってほしい」と会見で訴え、大きな反響を呼んだ。

運転手は逮捕されずに任意捜査が進められているが、今後、裁判になればどんな判決が予想されるのだろうか。

「上級無罪」などと揶揄する声も出ているが...

報道によると、運転手の飯塚幸三・旧通産省工業技術院元院長(87)は、「アクセルが戻らなくなった」と話しているといい、警視庁も、自動運転処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで調べている。この事故で、飯塚元院長は、胸の骨を折る重傷を負って入院し、証拠隠滅や逃亡の恐れがなくなったため警視庁も逮捕しなかったと報じられた。

しかし、ネット上では、飯塚元院長が様々な役職に就いた「上級国民」だから逮捕されなかったのではないか、との疑念の声が続出している。飯塚元院長が1年ほど前に体が弱って「運転を止める」と周囲に話した、事故後に息子と電話する余裕があった、ことなどが伝えられたこともあって、バッシングは未だに収まっていない。

今後の見通しについても、「上級無罪」などと揶揄する声も出ているほどだ。

そんな中で、亡くなった2人の遺族男性(32)が2019年4月24日に記者会見し、「たった一瞬で私たちの未来は奪われてしまいました。悔しくて悔しくて仕方がありません」と無念さを訴えた。そして、2人は人を恨むようなことはないとしたものの、飯塚元院長に対しては、「私の最愛の2人の命をうばったという、相応の罪を償ってほしい」と求めた。

飯塚元院長については、今後、逮捕されたりすることはあるのだろうか。また、裁判になったとすれば、どんな刑罰が考えられるのか。

「横断歩道で2人が亡くなった事故なら実刑になる」

元東京地検検事の大澤孝征弁護士は4月26日、J-CASTニュースの取材に答え、飯塚元院長の退院後について「逮捕されない」との見方を示した。

「警視庁の捜査が進んで、すでに実況見分なども行われています。本人も、病院で事情聴取を受けていると思います。ですから、拘束して調べる必要はないと思われます」

一方、大澤氏は、飯塚元院長について、「起訴は免れない」ともした。「車に問題はなく、運転操作ミスは明白で、過失が大きいので、検察は、公判請求をするでしょう」とみる。

裁判になったときは、事故の状況から、「実刑判決が出るのは間違いないと思います」と言う。

「横断歩道で死亡事故を起こしたときは、特にそうです。それも、2人の若い母子が亡くなっているという事実は重いですね。執行猶予が付く理由はないと思います」

自動運転処罰法の法定刑は、7年以下の懲役もしくは禁錮などとなっているが、大澤氏は、禁錮4年前後の判決になるとみている。

「故意なら懲役刑になりますが、過失なら原則は禁錮刑です。高齢であることや保険などで損害賠償を支払うことなどが考慮されるでしょう」

運転不安を周囲に漏らしていたり、事故後の対応に問題が見つかったりすることは、大きな判断材料にはならないという。また、酒を飲んで運転したりするなど故意性はないとみられるため、危険運転致死傷罪にはならないとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)