「休学費」60万円超からゼロまで なぜ、大学で差があるのか

「休学費」60万円超からゼロまで なぜ、大学で差があるのか

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長期間の海外留学、ボランティア活動が何かと話題になるなか、「休学」は大学生にとって身近な選択となりつつある。

そんな中、休学期間中に必要な「学費」もまた注目されている。上は数十万円から下は「タダ」まで、大学間で大きく違うのはなぜか。専門家に聞いた。

日本女子大は「学費の半額+諸費用」

日本女子大を数年前に卒業したという女性は16年10月9日、「日本女子大学を本気で変えようとした話」と題するブログ記事で在学中を振り返り、休学にかかる費用の高さを訴えた。

学生時代、アルバイトをしながら世界一周に必要な160万円を貯めたこの女性。1年間の休学を大学窓口に申し出ると、「施設設備費及び学生図書費の全額+学費の半額」として66万円納付するよう求められた。

請求された費用に納得がいかず、他校の休学手続きを調べて嘆願書にまとめ、費用の引き下げを大学側に求めた。しかし、当時の学長からは「要望には応じられない」とつれない回答が返ってきた。

記事はネットで大きな反響を集め、ツイッターに「休学費用ってわけわからん」といった疑問の声、「うちの大学も60万ぐらいとられるから休学をやめて退学した」という体験談が続々寄せられている。

一般的に、長期の海外留学やインターンシップ、世界旅行、ボランティア活動に本腰を入れて取り組みたい学生は休学を選択する。ただ、多くの大学では、休学期間中も学則に定められた学費を支払わなければならない。

たとえば、日本女子大は学則に「休学の場合には、施設設備費及び学生図書費はその全額を、授業料については在籍料としてその半額を納めなければならない」とあり、学部間で若干の違いはあるものの、およそ60万円だ。

他の私大では、学習院大は年間6万円、明治大は半期で8万円、神奈川大は半期で5万円などとなっており、日本女子大よりずいぶん低いものの、休学中もなんらかの費用が必要だ。

一方で、国立大はその多くが「免除」、つまりゼロになっている。

「多くの大学が社会の流れについていけていない」

大学間で休学にかかる費用がまったく違うのはなぜか。『就活のバカヤロー』(光文社新書)などの著書で知られる大学ジャーナリスト・石渡嶺司さんは、「多くの大学が社会の流れについていけていないからでしょう」と指摘する。

「休学の費用を引き下げるには学則の改定が必要ですが、管轄する文科省に届け出たり、学内の教授会を説得したりしなければならず、一筋縄にはいきません。実情を理解せず、休学に対する認識が追いついていない大学教員も多いです。今回話題になった日本女子大は、休学という学生の選択を想定していなかったのではないでしょうか」

一方、外国語大や外国語系の学部は、休学に関する諸制度が比較的整備されているという。

「外大や外国語学部の学生はそれ以外の学生に比べ、4年間で卒業する割合が低いです。もちろん、留学など固有の理由があるわけですが、大学側もそうした実情を鑑み、休学にかかる費用を下げているのでしょう」

また、多くの国立大学が休学中の学費を免除していることについては、

「国立大は奨学金制度が整備されていない代わりに、学費減免の考えが浸透しています。 そこは、留学する学生の多寡と関係ありません」

と分析している。

入学後の休学を考えるなら、まず、大学の制度を知っておくことも必要な時代になってきた。