医学部のスポーツ大会「髪染め禁止」に? 大会会長が通達→意見受け方向転換

医学部のスポーツ大会「髪染め禁止」に? 大会会長が通達→意見受け方向転換

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西日本の医学部学生が参加するスポーツ大会「西日本医科学総合体育大会」(西医体)。その参加者の頭髪着色が認められない可能性が出たとして、インターネット上で話題になっている。

2019年で第71回を迎える「西医体」には、西日本のすべての医学部が参加する。例年、大会会長は主幹大学の医学部長が務めていて、今年の主幹は関西医科大学だが、あくまで運営主体は医学生。しかし「西医体参加者の頭髪について」と題された文章がネット上で拡散され、「髪染めくらい認めてやれよ」「髪染め禁止になったの真っ当でしょ」といった声が相次いでいる。一体何が起きたのか。

大会長「西医体参加者の頭髪の着色を禁止にする」

8月の開催に向けて、各運動部がしのぎを削るさなか、医学生で組織される評議委員に大会会長から届いたという「頭髪着色禁止」の通達が5月19日、ツイッター上に投稿され、拡散された。

そこでは、4月13日に行われた「西日本医科学生体育連盟」(以下、連盟)の理事会で、西医体参加者の「髪色」が議題に挙がり、各大学から選出された理事が話し合った結果、「今年の西医体では医学生らしい風貌、身なりを徹底することに致しました。よって一切の髪の着色を認めないこと」と決まった。その理由は「マスコミなどに報道された際、一般人から見てあまりに派手な髪色では医学生に対してマイナスの印象を与えてしまうから」と書かれている。

これに対して、ネット上では「奇抜な色した頭こそ西医体の風物詩みたいなとこあるのに」「別にええやんけ年に一回のお祭りで頭髪で遊んだって」といった声が挙がるほか、「禁止する側の気持ちもわかる気がします」といった声も出ている。

現役医学生「納得いかない」「度が過ぎている」

西医体に過去5回出場した現役医学生はJ-CASTニュースの取材に、

「突然の協議内容に納得がいきません。医大生らしいふるまいとは何なのでしょう。全くわかりません。基準が明確ではないもので一年間頑張ってきた練習の成果を発揮する舞台に立つ権利をはく奪することをちらつかせるのはパワハラに他ならないと考えます」

と憤り、生まれながら金髪や茶髪な人はどういう扱いになるのか、と疑問を呈する。

また別の参加経験者は「度が過ぎていると思いますし、非現実的な規制」とする一方で、以前から染髪などの諸問題に関しては「医学生としての品位に欠けるとまではいかないものの、疑問に思う点は多々ありました」と語った。

また禁止の通達を受け、評議委員が運動部の部長へ賛否をとり、大学の意向を「意見書」で、会長側に提出する大学もあったという。

これらの意見を踏まえて、西医体会長は5月21日、「回答書」を評議委員へ通達。髪色を理由に出場停止になることはないとした上で、当時の理事会は、

「賛否に関しては各大学の意見が分かれる状況でした。しかし全面的に認めましょうという意見はなかったように思います」「全員の一致を求めることは難しい案件で、最終的に理事会としては決議せず、各大会長の判断に任せることになった」

などと、先の通達を出した経緯を明かした。

理事会当時の様子は

連盟理事で、来年理事長を務める予定の鳥取大学医学部の中村廣繁教授は5月30日、J-CASTニュース編集部の取材に、当時の理事会の様子を明かした。

中村教授によると、頭髪に関する議案が出された後に、それぞれの大学の理事が自分の所感を述べたそうだ。球技種目を中心に着色が横行し、レインボーカラーに染められた頭髪の写真も提出されると、こんな声が上がったという。

「見た目がちょっと奇怪な色合いが多い」
「そういう学生が当然西医体の時だけ、宿泊施設等で髪染めする。そうするとホテルの洗面台を汚すこともあり、苦情が出たこともある」
「髪を染めた子たちが競技会場で、ペチャクチャしゃべってお菓子をたべて、ごみを散らかしたこともある」
「将来医師になる人間としてふさわしいのか。周りの人間が見てどう思うのか、不快感を与えないのか」

中村教授は「私は来年の主幹校であり理事長になるため、あえてそのほかの理事や学生の意見を拝聴していた」とその場では意見を述べなかったという。

中村教授自身の思いを聞くと、頭髪着色に関して「非常に身近で重要な問題」と述べる。

「私自身は、医学生であり将来医師になるといった社会的責任の大きい職種ですので、学生の時から意識するべきだし、周りがみて不快に思うような行為は慎むべきだと思います。それはカラーリングだけではなく、ごみを散らかしたりだとか、大声で騒いだりだとか、医学生として恥ずかしくない、皆から受け入れられる行動をしてほしい」

レインボーカラーなど、一見して奇抜な頭髪で、ごみを散らすなどの行為をすると余計世間からの目線は厳しいとして、「いわゆる世間が認めうる、茶髪とか、は許容範囲だと思うところはある」と語る。

「ただ大人ですから、成人している医学生が、自ら回りがみて奇抜で受け入れられないと思うような行動はするなというのが僕の意見です。つまり倫理観を持てということです」