レコード店に入るも写真撮るだけ 若者の奇怪行動に店側は...

奈良のレコード店オーナーが、何も買わず「写真」だけを撮りに来店する若者の増加告白

記事まとめ

  • レコード店でCDなどを買わず、「写真」だけを撮りに来店する若者が増加しているらしい
  • レコードを見ている様子を友人が撮影する行動が、奈良の店で春以降4〜5回あったという
  • ネットでは写真のみを撮る行為に、理解できないと反発の声や、逆に前向きに捉える声も

レコード店に入るも写真撮るだけ 若者の奇怪行動に店側は...

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CDやレコードをまったく買わず、ただ「写真」だけを撮りに店を訪れる若者が増えている――。ある老舗レコード店のオーナーがツイッターに寄せたこんな呟きが、インターネット上で驚きをもって受け止められている。

実際、複数のレコード店にJ-CASTニュースが取材すると、「店内の様子や商品を撮影している若者は確かによく見かける」と答える店が多かった。なかには、店員に許可を取らず、いきなり撮影を始める客もいるという。

「買った人は1人もいない」

レコード店と若者を巡る現象について指摘したのは、1987年開業の「ジャンゴレコード」(奈良市)のオーナーだ。店の公式ツイッターアカウントで2017年7月9日夕、

「突然人が入ってきて驚いた。しかも若い女性3人組。1人がレコードを見てる様子を友人が撮影し、すぐに帰っていった。実はこの春以降、全く同様の行動がこれで4〜5回目!買った人は1人もいない」

と報告したのだ。続けて、「若い女性だけに限って言うと、お客さんの実数よりも多いくらいだ(笑)」としていた。

また、こうした客は「写真だけ撮ったら皆さんサッと次のお店に向かう感じ」だとして、「SNSやインスタグラムは現代を生きる若い人たちの青春なのだろうか?」との疑問も呟いている。ただ、決して写真だけを撮りに来る客を非難するつもりはないとして、

「単純に今の若い人のインスタグラムへの情熱に驚いている」

との感想を綴っていた。

一連のツイートを受けて、インターネット上では、CDやレコードを購入せずに写真だけを撮る行為について賛否の分かれた意見が出ている。ツイッターやネット掲示板には、

「なんのためにやっているのか理解できん・・・」
「レコードやCDの写真を買ってもいないのにインスタにあげて何のメリットがあるの」
「レコード選ぶのがオシャレなのかな。レコードを触ってるのがオシャレなのかな。そんなブームだったら要らないな」

といった反発の声が目立つ。ただ一方で、「広告費用かけずに宣伝してくれてる」「どう考えてもビジネスチャンス」など、店側はこうしたブームを活かすべきと前向きに捉える意見もあった。

ジャンゴレコード店主は歓迎「嬉しい」

実際、レコード店を訪れたことを報告する写真はSNS上に大量に公開されている。例えば、インスタグラムでハッシュタグ「レコード女子」「レコ女」などと検索すると、レコード店で商品を選ぶ様子をおさめた写真が数多くヒットする。

そのほか、ツイッターでも、レコード店を訪れたことを「オシャレなレコード屋さんに来た」「お洒落感がすごい!」などと写真付きで報告する投稿が見つかる。

こうした現象について、上述した「ジャンゴレコード」オーナーは7月10日のJ-CASTニュースの取材に、

「本当に、一切レコードを選んでいる様子もなく、ただ写真だけ撮っていくんです。ゴールデンウィーク以降、こうしたお客様が立て続けに来店したので、単純に疑問に思ってツイッターでつぶやきました」

と話す。オーナーが遭遇したのはいずれも10代後半から20代前半の女性グループで、店の滞在時間は「どのグループも、大体1分くらいだった」という。

ただ、オーナーは写真だけを撮る客を責める気は一切ないそうで、「むしろ大歓迎したいくらい」。その理由については、

「レコード店もCDショップも少なくなってきていて、純粋に『珍しい』と思って写真を撮ったのではないでしょうか。私としては、どんな理由でもレコードに興味をもってくれればそれだけで嬉しいので、むしろ、『みんな写真を撮りに来て!』と言いたいほどです(笑)」

と話していた。

ニーズの変化は「仕方がない」

J-CASTニュースが都内のレコード店4軒に取材したところ、店内の写真を撮影している若者を「よく見かける」と答えた店は3軒。ただ、残りの1軒の担当者は、「うちの店は年配客が多いこともあるかもしれませんが、これまでに見たことがない」としていた。

東京・渋谷のあるレコード店の担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、

「店内で撮影だけして帰っていく客は、1日に1組から2組くらいいます。ここ1、2年でよく見かけるようになりました。なかには、本当に商品を一切見ず、写真だけを撮ってサッと帰られる人もいます。一言、『写真を撮ってもいいですか?』と聞かれれば快く了承しますが、それすら無い場合が多いので、こちらとしては『うーん』と思ってしまいます」

と話す。ただ一方で、「レコードブームの影響か、これまであまり見なかったような若いお客様が増えていることも確かで、それは本当に嬉しく感じています」としていた。

また、店内を撮影する客は「多い」という渋谷のレコード専門店「ネクストレコード」の店主は、「レコードのジャケットだけ見て、『これ格好いい』と中の曲を知らないで買っていく人も多いです」と話す。

この店主は「レコードの楽しみ方が変わってきているのは実感している」として、

「正直、うちの店でレコードを買う人でも『よくレコードを聴いている』と言う人は少ないんじゃないかな。今では、コレクション目的か、お洒落なアイテムとしてのニーズの方が強いかもしれません」

とも漏らす。その上で、このような変化が起きている理由については、次のように分析していた。

「大音量でレコードを流せる環境が自宅にある人も少ないでしょう。さらに言ってしまえば、音楽を聴くだけならYouTubeでもいいわけです。そういう意味では、レコードが持つ価値が多様化しているのも、仕方がない部分があるんじゃないかと思います」