いつまで「改憲勢力」なんて言葉を使うのか 「何をもって...」枝野氏も困惑

いつまで「改憲勢力」なんて言葉を使うのか 「何をもって...」枝野氏も困惑

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国政選挙のたびに繰り返される「改憲勢力」という言葉について、立憲民主党の枝野幸男代表が2019年7月31日の定例会見で「定義が難しいところがある」と困惑気味に話す場面があった。

参院選で公明党から当選した人の6割しか改憲を望んでいないとするアンケートの結果がある一方で、「改憲勢力」に含まれない野党には9条以外の部分で憲法を改正すべきだとする人も一定数いる。「改憲勢力」という枠組みの妥当性が問われそうだ。

立憲、国民は「解散権を制約するための改憲」に前向き

今の「自民、公明、維新」が「改憲勢力」だとする大筋の枠組みが定着したとみられるのが12年12月の衆院選。当時は下野していた自民党が政権に復帰できるかが焦点で、

「自民党に加え、衆院選で躍進が見込まれる維新を中心に国会で改憲勢力が増えれば、改憲論議は具体化しうる。護憲派はそれを見越して警鐘を鳴らす」(12年12月4日、朝日新聞)

といった具合だ。

19年7月の参院選では、与党の自民、公明両党と日本維新の会に、改憲に賛同する無所属議員を加えた「改憲勢力」が、改憲の国会発議要件を満たす3分の2(164議席)に達するかどうかを焦点のひとつとして報じるメディアが多かった。これに加えて、NHKから国民を守る党(N国)の立花孝志代表は改憲の発議に賛成の意向で、「改憲勢力」が増えるとの見方もある。

だが、この「改憲勢力」の動向について問われた枝野氏は

「何をもって改憲勢力というのか、という定義が難しいところがあるわけで...。我々はご承知のとおり、解散権の制約などについては、積極的な議論が必要だと申し上げているわけで...」

などと応じた。国民民主党も参院選向け政策パンフレットの最後にある「政策各論」には、「憲法の議論を進める」という項目を設けて

「内閣による衆議院解散権の制約、『知る権利』を含めた新しい人権、地方自治の保障等について、国民とともに議論を深めます。国が自衛権を行使できる限界を曖昧にしたまま、憲法9条に自衛隊を明記すべきではありません」

と説明している。立憲同様に解散権を制約するための改憲には前向きだ。

公明党は「改正する方がよい」62%

逆に、与党で改憲に消極的な人も多い。読売新聞は参院選前に立候補予定者に対してアンケートを行い、そのうち当選した人の回答を集計した結果を7月24日の紙面に掲載している。ここで注目されるのが

「今の憲法を改正する方がよいと思いますか、改正しない方がよいと思いますか」

という問いだ。

自民党は回答者48人のうち98%が「改正する方がよい」と回答し、残りの2%が「答えない」。13人が回答した公明党は「改正する方がよい」が62%にとどまる一方で、「答えない」が23%にのぼり、「改正しない方がよい」と答える人も15%いた。

「条文を改めたり、新たな条文を加えたりする方がよいと思う項目」を複数回答する項目では、自民が「参院選の合区解消」、公明が「環境権」が最も多く、関心事にズレがあることがうかがえる。

野党に目を向けると、立憲は回答者16人のうち1人(6%)だけが「改正する方がよい」と回答。国民は回答者6人のうち3人(50%)が「答えない」で、「改正しない方がよい」が2人(33%)、「改正した方がよい」が1人(17%)だった。

維新は10人全員が「改正する方がよい」と答え、共産党と社民党は全員(7人、1人)が「改正しない方がよい」とした。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)