「子連れOK」は「子どもが何してもいいわけではない」 育児誌があえて「お願い」した、本当の理由

「子連れOKは子どもが何をしてもいいというわけではない」という注意喚起が話題

記事まとめ

  • 「子連れOK」は「子供が何をしてもいいというわけではありません」という文章が話題
  • フリーペーパーの育児情報誌が「オムツは持ち帰る」などマナーを守るよう呼びかけた
  • ツイッター上では「今時の親は人としての基本的な常識も無いの?」などと反響を呼んだ

「子連れOK」は「子どもが何してもいいわけではない」 育児誌があえて「お願い」した、本当の理由

「子連れOK」は「子どもが何してもいいわけではない」 育児誌があえて「お願い」した、本当の理由

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「子ども連れOK」は、「子どもが何をしてもいいというわけではありません」――ある育児誌に掲載された「お願い」の文章がツイッターで話題を集めている。

「食べ物を持ち込まない、替えたオムツは持ち帰る」などマナーを守るよう呼びかける内容だが、なぜわざわざこのような注意喚起を載せるのか。同誌編集長は取材に「きっかけがありました」と明かす。

「親として守るべきマナーも大事です」

この雑誌は、フリーペーパーの育児情報誌『ワイヤーママ熊本版』の2019年9月号。子育て中のツイッターユーザーが8月19日、「子育て雑誌、こんなことまで親に注意しないといけないなんて大変だな...。お店はもっと苦労してるんだろうなぁ」として、「ワイヤーママ編集室からのお願い」とするページの写真をアップした。そこでは、

「『子ども連れOK』というお店をご紹介していますが、子どもが何をしてもいいというわけではありません。子どもが騒いだり粗相してしまったときは、きちんとあやまり、子どもにも指導しましょう。また、食べ物を持ち込まない、替えたオムツは持ち帰るなど、親として守るべきマナーも大事です」

と親への注意喚起を書いたうえで、

「きちんとルールやマナーをわきまえてお食事することで、子ども連れでランチを楽しめる環境がより広がるはずです」

と編集室の思いがつづられている。

投稿は3000回以上リツイート。親に向けてマナーの重要さを説いた注意書きはツイッターで

「同感です。店員の皆さんの苦労が目に浮かびます」
「オムツ置いて行かれたことあります。さすがに驚きました」
「今時の親はこんな人としての基本的な常識も無いの? 無いから、あえて書いてるんだろうけど。そんなのが人を育ててんの?」
「子連れOK=子供の面倒見ないで放置してもOK!と勘違いしてる少数の親のせいでこういう配慮がいるんでしょうね」

などと反響が相次いだ。

「本当はぜひ子連れで来てほしい。でも...」

『ワイヤーママ』は徳島で創刊され、熊本版のほか、三重版、佐賀版など西日本の一部都市でそれぞれ月1回発行。地域密着型の育児誌で、飲食店やイベント情報、子ども向け医療情報などが掲載されている。幼稚園や保育園、小児科、児童館など子育て中の親子が利用する施設で配布している。

今回話題となった『ワイヤーママ熊本版』の松田大輔編集長(38)は28日、J-CASTニュースの取材に、「掲載した飲食店を利用するにあたって『子連れOK』の言葉を都合よく解釈したり、勘違いしたりする方も中にはいらっしゃいます。そういうことがないようにと、掲載しています」と話す。

9月号の「お願い」は「子どもと一緒に行きたいカフェ」特集ページのトップにある。今号だけでなく、年1〜2回ほど行う飲食店・ランチ特集の際は必ずこの「お願い」を掲載している。きっかけは、以前掲載に向けて取材しようとした際に聞いた飲食店オーナーの話だという。

「オムツを持ち込んで置いて帰ったり、子どもの食べ物はお弁当を持ってきて親御さんだけ食べたり、子どもが泣いたり粗相したりしても親が放置していたり――目に余るマナー違反行為が起きているので、『子ども歓迎』とうたってはいるけれど、勘違いしてほしくないということを、オーナーさんから言われたことがありました」

こうした話は複数の店から出る。「お店側からは子どもが騒いでしまう、粗相をしてしまうのは仕方ないけれど、いけないことをしたらきちんと叱ることは忘れないでほしい」との声が多数聞こえるといい、松田さんは、

「取材していく中で複雑な思いから断られることもあります。『本当はぜひ子連れで来てほしい。でもマナーを守れない親子連れのお客さんも来たことがあって、雑誌に子連れOKと載せてしまうと、結果として他のお客さんに不利益が及ぶ可能性がある。だから誌面には載せたくない』と、掲載を検討していた飲食店から言われたこともあります。子連れを歓迎したいけど、なかなか言いづらい現状があるようです」

と話す。「お願い」はこのような飲食店側の要望に応える側面もある。

みんながマナーを守れば「子ども歓迎」も増える

ただ、同編集室が「本当に伝えたい」のは最後の一文だと松田さんは言う。「きちんとルールやマナーをわきまえてお食事することで、子ども連れでランチを楽しめる環境がより広がるはずです」との一節だ。松田さんは、

「みんながマナーを守って利用すれば、声を大にして『子ども歓迎』と言えるお店も増えてきて、私たちにとっても外食しやすい、お出かけしやすい環境になっていくと思います。編集室の願いとしては、私たち客とお店がお互いに寄り添うことで、もっともっと親子で出かけやすい社会が実現すればいいなと思っています」

と話していた。

(J-CASTニュース編集部 青木正典)