「戦略的核戦争抑止力を強化」 北朝鮮声明に見る「非核化」の本気度

「戦略的核戦争抑止力を強化」 北朝鮮声明に見る「非核化」の本気度

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北朝鮮が非核化をめぐる米朝対話の期限だと主張する「今年の末」が近づくなか、「瀬戸際外交」ぶりを先鋭化させている。2019年12月14日に国営メディアが相次いで伝えた声明では、「戦略的核戦争抑止力」「米国をはじめとする敵対勢力」なとど露骨に米国側と敵視する表現が登場した。

米国のビーガン北朝鮮担当特別代表は12月15日から17日にかけて韓国を訪問しており、北朝鮮側に引き続き対話を呼びかけている。年内に直接対話ができる事実上最後のチャンスになる可能性が高く、北朝鮮側の反応が注目される。

「米国をはじめとする敵対勢力は」

北朝鮮の国営朝鮮中央通信は12月8日、前日の7日に「西海衛星発射場では非常に重大な実験が行われた」と報じた。「非常に重大な実験」の内容は明らかではないが、日韓では、人工衛星や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の打ち上げに使う固体燃料エンジンの試験だった可能性が指摘されている。1週間後の12月14日には、同じ西海衛星発射場で、13日に「重大な実験がまたもや行われた」と報道。記事では、その意義を

「最近、われわれが次々と収めている国防科学研究成果は、朝鮮民主主義人民共和国の頼もしい戦略的核戦争抑止力をよりいっそう強化することに適用されるであろう」

としている。「戦略的核戦争抑止力」という表現からは、非核化をせずに「抑止力」を維持しようとしている、との見方もできそうだ。この7時間ほど後には、朝鮮人民軍の朴正天総参謀長が談話を発表し、この「実験」を念頭に

「米国の核脅威を確固と、頼もしくけん制、制圧するための朝鮮民主主義人民共和国のもう一つの戦略兵器の開発にそのまま適用されるであろう」

などと主張。米国を「敵対勢力」呼ばわりしながら自制を求めた。

「先鋭な対決状況の中で、米国をはじめとする敵対勢力はわれわれを刺激するいかなる言行も謹んでこそ、年末を安らかに送ることができるであろう」

板門店での米朝接触はあるのか

一方、米国のビーガン北朝鮮担当特別代表が15日から韓国を訪問している。韓国政府と対応を検討するのが目的だ。16日に李度勲(イ・ドフン)朝鮮半島平和交渉本部長と会談した後に記者会見し、「米国には期限はない」「私たちはここにいる。北朝鮮は(米側に)どのように連絡するかを知っている」などとして対話を呼びかけた。

ビーガン氏は12月17日午後に東京に向けて韓国を出発する予定で、それまでに板門店で北朝鮮と接触するかがも焦点だ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)