徴用工問題、韓国世論は「解決」急ぐ? 国会議長「1+1+α」案、7割弱が賛成

徴用工問題、韓国世論は「解決」急ぐ? 国会議長「1+1+α」案、7割弱が賛成

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元徴用工問題の解決に向け、韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長が2019年12月18日、いわゆる「1+1+α」案をベースにした法案を国会に提出した。

法案は「記憶・和解・未来財団」を設立して日韓の企業や両国の国民から寄付を募り、元徴用工訴訟の原告らに慰謝料を支払う内容だ。徴用工訴訟の支援団体は法案に反対だが、世論調査では支持する声が過半数。法案が成立するかは微妙な情勢だ。

54.3%が寄付に参加する意向

法案では、日本企業を相手にした損害賠償訴訟で勝訴が確定した元徴用工が財団から慰謝料を受け取る場合、差し押さえられた日本企業が韓国に持つ財産の強制執行の権利を放棄すると規定している。係争中の場合は、訴訟の取り下げが慰謝料受け取りの条件だ。

世論調査は国会議長室が調査会社に委託して12月11〜13日に行った。提出された「記憶・和解・未来財団法案」の賛否を問う質問には、68.6%が「賛成」で、「反対」は19.5%。両国の企業と国民からの寄付を慰謝料の財源にする考え方についても、53.5%が賛成したのに対して反対は42.1%。やはり、賛成が反対を上回った。さらに、54.3%が寄付に参加する意向を示している。

日韓関係を改善すべきだと考える人が多いことも、法案賛成を後押ししたとみられる。日韓関係について「現状維持でも特に問題ない」とする人は35.9%だったのに対して、「対立を続けて放置すると両国にとって得より損が大きいので改善が必要」との答えは61.6%にのぼった。

元徴用工は日本側に謝罪を要求するが、世論も一枚岩ではない。日韓関係改善が必要だと答えた人のうち、「謝罪を継続的に要求するが、現在の対立状態を優先的に解決すべき」が69.1%にのぼり、「日本の謝罪があるまで現在の対立状態を維持すべき」は28.8%にとどまった。

「謝罪を優先」vs「実質的補償を迅速に」

元徴用工は高齢化が進み、早急な対応を求める声も多い。その優先順位をめぐっても意見は割れている。「たとえ時間がかかっても、日本の謝罪を優先して受けなければならない」が53.1%に対して、「金銭的支援を通じた実質的な補償を迅速に実施しなければならない」も44.2%。謝罪を後回しにしてでも急いで慰謝料を受け取るべきだという人が4割以上いることになる。

この法案をめぐっては、市民団体が「日本の謝罪・賠償責任に免罪符を与えて、被害者の権限は縮小する」などと強く反発している。ただ、今回の世論調査で比較的前向きな結果が出たことで、「法案の議論に弾みがつくか注目される」(毎日経済新聞)などと報じられている。

法案は超党派の14議員が共同提案。20年4月の総選挙までに可決できなければ廃案になる。日本政府は、元徴用工への賠償問題は1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決された」とする立場で、この点との整合性も問題になりそうだ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)