安倍首相の「正月休み」の過ごし方 「中東情勢とゴルフ」めぐり報道に差も

安倍首相の「正月休み」の過ごし方 「中東情勢とゴルフ」めぐり報道に差も

安倍首相の「正月休み」の過ごし方 「中東情勢とゴルフ」めぐり報道に差もの画像

安倍晋三首相は正月休みが明け、三重県伊勢市の伊勢神宮を参拝し、年頭の記者会見に臨んだ。

9日間の休暇中には、4回のゴルフや昭恵夫人との映画鑑賞などが報じられていた。年初には、米軍がイラン革命防衛隊の司令官を殺害して緊張が高まる中東情勢について記者団に問われる一幕もあった。安倍首相の正月休みを新聞・通信各社の首相動静や短信ニュースから振り返る。

9日間の休みのうち、都内のホテルに5泊

2020年1月6日、伊勢神宮参拝を終えたのちに会見した安倍首相は、「全世代型社会保障」や憲法改正の実現に向けて意欲を示した。

19年12月28日から会見前日の5日まで休暇中だったが、1月1日には皇居で新年祝賀の儀に閣僚らと共に出席した。

5日までの9日間のうち、東京・六本木のホテルに5泊し、ホテル内で親族や知人らとの食事や、ホテル内フィットネス施設での運動に時間を割いていた。この他、ゴルフに4回行っている。

初日の28日は、行きつけの美容室で散髪をした他、都内の中華料理店で母親の洋子さんら親族と食事をした。多くの時間は東京・富ケ谷の自宅で過ごした。

29日は、首相の出身大学である成蹊大(東京都)の友人とゴルフをし、夕方から先のホテルに入り、この日からホテル泊。

30日には2回目のゴルフ。古森重隆・富士フイルムホールディングス会長らとホールを回った。途中で記者団から19年の感想を聞かれると、安倍首相は「大変な1年でした。ご苦労様でした」と応じていた。

大晦日の31日は、ゆっくり過ごしたようだ。昼前に昭恵夫人とホテル周辺を散歩(約20分)、通行人に「安倍さんだ」と声をかけられ写真撮影に応じた。昼食後はホテル内フィットネス施設で汗を流した。夜は、荒井広幸・内閣官房参与夫妻や昭恵夫人、母親の洋子さんらとホテル内ステーキハウスで食事をした。荒井・元参院議員は、元新党改革代表で安倍首相とは1993年の衆院初当選同期組(当時は自民)だ。参院選で落選して一線を引いたのち、2017年に参与に任命された。

ゴルフは4回

そして年明けの1日は、先に触れた「新年祝賀の儀」出席の他は、ホテル内施設での運動や親族らとの日本料理店での食事(夜)で過ごした。

2日は、新年初(休暇中3回目)のゴルフ。神奈川県のクラブで経団連の御手洗冨士夫・名誉会長らが参加した。

3日は、午前にホテル内施設で運動し、午後は昭恵夫人と映画「決算!忠臣蔵」を鑑賞。昼の12時30分過ぎに映画館へ到着し、見終わった15時過ぎに記者団から感想を聞かれ、「たいへん楽しく見させてもらいました」と答えた。この日(日本時間)は、米軍がイラン革命防衛隊の司令官を殺害したと発表しており、新聞各紙のウェブ版で確認できた「初報記事」は、毎日12時13分、読売12時28分、朝日13時1分だった。また、この日の夕にはホテルを出て私邸に戻った。ホテルには5泊した。

4日は千葉県でゴルフ。休暇中4回目。安倍首相のゴルフ仲間としても知られる藪本雅巳・錦秀会グループCEO(最高経営責任者)や、昭恵夫人の弟である松崎勲・森永商事社長らとプレーした。米軍による司令官殺害を受け緊迫する米・イラン関係、中東情勢について記者団から質問を受けると、

「今月、諸般の情勢が許せば中東を訪問する準備を進めたいと思っている」

と述べた。政府は19年末に自衛隊を中東地域に派遣することを閣議決定しており、20年1月中旬に安倍首相がサウジアラビアなどを訪問することを検討中で、今回あらためて中東訪問の意向を示したことになる。

この4日のゴルフと中東訪問関連の発言とは各メディア(ウェブ版)が報じたが、見出しにはニュアンスの違いが見受けられた。たとえば、時事「中東訪問へ『準備進める』 安倍首相」、朝日「首相、中東情勢の言及避ける 休暇中、4回目のゴルフ」、TBS「安倍首相、冬休み中4回目のゴルフ楽しむ」といった具合だった。夕以降は私邸で過ごした。

最終日の5日は終日、私邸におり、時事通信の首相動静によると来客もなかった。

中東情勢について、年頭会見で「深く憂慮」

こうした過ごし方のうち、3日の米・イラン関係緊迫化後の4日のゴルフについては、タレントのラサール石井氏が4日のツイッターで、安倍首相のゴルフ行きを知らせるツイートに応じて、

「え!!世界中の国のツイッターのワードのランキングの1位が『イラン』や『第三次世界大戦』になっている時に、今日もゴルフ!? 余裕ですね。ま、休みに何しても自由ですがね」

と皮肉めいた「つぶやき」を行うなど、「危機管理意識」を問題視するような声が出る一方、安倍首相の日々の忙しさを指摘し、「(首相のゴルフに)目くじら立てる」行為を批判して首相を擁護する意見も見受けられた。

安倍首相は、6日の年頭会見で中東情勢について、

「現状を深く憂慮している。事態のさらなるエスカレーションは避けるべきであり、すべての関係者に緊張緩和のための外交努力を尽くすことを求める」

と見解を示した。