住居確保給付金について厚労省に聞く 収入減で「部屋を追い出されないか心配」→どうすれば?

住居確保給付金について厚労省に聞く 収入減で「部屋を追い出されないか心配」→どうすれば?

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新型コロナウイルス感染拡大をうけ、収入の大幅減少を心配する声がフリーランスや非正規雇用などで働く人から挙がっている。家賃が払えなくなり住居を失う恐れを抱く人もおり、ツイッターでは、以前からある公的支援制度の「住居確保給付金」の利用検討を勧める声が出る一方、支給要件の厳しさや分かりにくさを指摘する意見も見受けられる。

そうした中、厚生労働省が「住居確保給付金の活用」について、「柔軟な対応」にも触れた「事務連絡」を(実際の支給業務を行う)各自治体へ出した。支給要件を巡ってはやや複雑な部分もあり、厚労省は、利用を検討したいと考える働く人には「地元の自立相談支援機関(後述)に相談」することを、また自治体の担当者には「疑問点があれば厚労省に問い合わせてほしい」と勧めている。

都道府県などへの「事務連絡」で言及

厚労省は、「新型コロナウイルスに関連した生活困窮者自立支援法に基づく住居確保給付金の活用について」と題する「事務連絡」を2020年3月9日、各都道府県や政令指定都市などに対して出した。

第1段落では、「就労環境の変化等により収入の減少が懸念される生活に困窮する方に対する住居確保給付金の支給事務」にあたる際、次のような点(3項目)に留意して対応することを要請している。また、最後の段落では「住居確保給付金の受給についての相談があった場合には、併せて一〜三の留意事項を踏まえた柔軟な対応を図り、(以下略)」と、「柔軟な対応」との表現を使って「適切な執行」に努めることを求めている。

留意点の3項目事体は大きな変更点というわけではなく、念のための周知徹底という側面もある。概略は、

(1)4月1日以降に「申請日において65歳未満」要件を撤廃することが決まっていたが、3月9日以降は65歳以上の受給希望者からの申請相談を「積極的に受け付け」る(支給決定日は4月1日以降にする)。
(2)申請日を含む月の収入は収入要件を超えていても、翌月からの収入が落ち込んで要件に該当するようになる事が提出資料などから証明可能なら、「翌月に申請があったものとして取り扱うことができる」と(従来から)しているので、引き続き適切な対応をお願いする。
(3)受給者の求職要件の一部緩和容認(「月2回以上の公共職業安定所の職業相談等」及び「週1回以上の応募又は面接」の回数を「減ずる又は免ずる」ことができる等)

といった内容だ。

「(申請時)離職や廃業でないと適用できない」見解の自治体も

「住居確保給付金」は、2015年4月から始まった「生活困窮者自立支援制度」の一環の事業で、「離職等により経済的に困窮し、住居喪失者又は住居喪失のおそれのある者」など8支給要件(後述)すべてに該当する「生活困窮者」を対象としている。生活困窮者自立支援法に基づいている。たとえば東京都の場合、「(支援制度は)区市(町村部については東京都)が実施主体となり(略)、各種支援が行われます」(都福祉保健局サイト)。国から一定の補助金が出る。

支給期間は原則3か月で、一定の条件を満たせば最長9か月まで延長できる。支給額は、その上限額や計算式に使う基準額が各地域で異なり、また世帯人数によっても違いがあるため、個別に確認する必要がある。自治体によっては、支給上限額の数字をサイトに載せている所もあるが、バラつきも大きく、混乱を避けるためにここでは例示は行わない。

8支給要件は、先に触れた「離職等により経済的に困窮し、(略)」のほか、「申請日において離職後2年以内(「かつ65歳未満」条件は先述の事情を受け編集部で削除)」、世帯収入額や世帯金融資産の制限、「公共職業安定所(ハローワーク)に求職の申込みをし、誠実かつ熱心に常用就職を目指した求職活動を行うこと」(厚労省作成の自治体事務マニュアル改定版)などで、利用するには全項目に該当する必要がある。

また、要件冒頭で紹介した「離職等」とは、「離職のほか事業を行う個人の当該事業の廃止をいう」(同上マニュアル)とされている。「離職等により経済的に困窮〜(略)」という表現を単純に読み取ると、他の7要件には合致し、さらに急な収入の大幅減による「経済的困窮から住居喪失のおそれ」があっても、その困窮理由が「(申請時点での)離職等」でなければ、申請できない様に受け取ることも可能で、実際にそうした理解を示す自治体関係者もいる。

ツイッター(3月上旬)には、自治体担当者から聞いた解説として、現状は仕事に就いていて離職や失業でない場合は適用できないといった見方を示す内容紹介が発信されるなどしており、3月16〜17日にJ-CASTニュースが電話で確認した自治体の担当責任者の中にも、現場担当者に確認した上で、ほぼ同様の見解を示す人もいた。

「まずは最寄り(地元)の自立相談支援機関に相談してほしい」

それでは、たとえばフリーランスや派遣社員などで、「(要件が定める金額以下となる)収入の大幅減少による経済的困窮から住居喪失のおそれ」があるが、「離職や廃業をした訳ではない」人や「仕事・収入が大幅減だが、ゼロになった訳ではない」人は、対象にはなり得ないのだろうか。

J-CASTニュースが3月17日、厚労省社会・援護局の地域福祉課生活困窮者自立支援室の担当者に複数回にわたり確認した。すると、8要件中の(転職などを視野に入れた)求職要件や収入・資産要件、「2年以内の離職経験(アルバイトなども含む)」の証明可能書類、などがそろっていれば、申請時点で常用就職をしていて「離職や廃業状態ではない」こと自体は、即、適用から除外する条件にはならないと明言した。「(申請時点で)常用就職をしている=(即)適用外」とする誤解が一部自治体にある可能性にも言及し、自治体担当者に対しては「不明な点があれば問い合わせてほしい」「『住居確保給付金の支給事務の取扱問答』にも該当記載がある」と呼びかけた。

ただ、8要件については、自治体サイトの関係ページを見ても、所得要件の具体的な金額を表示していない所もあり、「住居確保給付金の利用」に関心ある人が自分で調べようとしても、「自分が適用対象かどうか、よく分からない」という人は少なくないようだ。こうした個人に対しては、厚労省は「まずは最寄り(地元)の自立相談支援機関に相談してほしい」と呼びかけている。「住居確保給付金」の適用対象にならない場合も、他の枠組みでの支援を受けられないか、も含めて相談が可能だ。

「地元の自立相談支援機関」の連絡先を調べるには、インターネット検索で「地元自治体名+自立相談支援機関(もしくは自立相談支援センター)」と入力して調べてみたり、ネットを使わない場合は、地元の都道府県や市区町村の役所の代表番号に電話し、「住居確保給付金の申請相談をしたいので、担当部署に回してほしい(もしくは担当部署の連絡先を教えてほしい)」と告げてみたりする方法が考えられる。