動物保護の「神様」の家は「地獄」と化していた 目撃者が語る現場の実態

動物保護の「神様」の家は「地獄」と化していた 目撃者が語る現場の実態

動物保護の「神様」の家は「地獄」と化していた 目撃者が語る現場の実態の画像

京都府八幡市内で動物保護ボランティアをしていた50代女性の自宅内から犬や猫の死骸が少なくとも数十匹も見つかり、警察も捜査する騒ぎになっている。

この女性は、名前を付けて「かあたん」と呼ばれ、どんな犬や猫でも預かるところから、関係者に「神様」と呼ばれていたという。一体どのような人物なのか。

「被害者の会」から相談受けた動物保護団体代表が、この女性を追及

干からびた犬の頭が見え、ろっ骨もむき出しになっている。犬を飼うケージの中は、ミイラ化したような死骸が横たわるショッキングな状況だ。

「ウソやろ...」「えっ!猫の骨や」「地獄や、もうなんで」。2020年6月3日深夜から女性宅に入った動物保護団体のメンバーらから、次々に悲鳴が上がる。

それ以来、ツイッターなどには、現場の様子を伝える写真や動画が次々に投稿され、ペット愛好者らの間に驚きと怒りが広がっている。

最初に女性宅に入った動物保護団体「神戸ナナプロジェクト」の川田絵梨佳代表は12日、J-CASTニュースに詳細な経緯を話した。

この女性には、「渡したら犬が消える」とのうわさがあったというが、川田代表は1年前に直接女性に会って大丈夫だと思い、その後、犬を5匹預けた。ところが、ラインのグループに半年前にできたこの女性の「被害者の会」から、20年5月下旬に相談を受け、女性とコンタクトを取り始めた。

川田代表は、犬の預かり先について何度もはぐらかす女性に不信感を覚え、女性が預けたという家に出向いた。犬を見せてもらおうとしたが、話が二転三転したため、女性に問いただしたところ、女性は、「犬はこないだ死んだ」と話したという。自宅に死骸があるというので、6月3日20時台に女性宅に出向いたが、なかなか家に入れず押し問答になった。やっと家に入ったときは、23時になっていた。川田代表は、そのときの状況をこう話す。

天井高くまで積もっていたのは...

「えらいこったと思いましたね。なんと、犬や猫の糞尿が、天井高くまで積もっていたんです。これは大事件だと思い、その場でライブ配信を始めました」

配信を見て駆け付けた他の動物保護団体のメンバーらも、次々に家の中に入り、大騒ぎになった。

報道によると、京都府警の八幡署も6月5日に女性宅を家宅捜索して、数十匹の死骸を確認した。白骨化、ミイラ化したものもあり、家の中はゴミも散乱していた。府警では、動物愛護法違反(虐待)の疑いもあるとみて捜査している。

府の山城北保健所は12日、女性に犬や猫を適正に飼うことや状況の改善を指導したと取材に答えた。19年3月ごろから、「犬が朝方吠える」「悪臭がする」と近所から苦情が寄せられ、20年5月には、虐待を疑う通報もあったが、女性に断られたため家の中には入れなかったという。

女性は、20年ほど前からボランティアを始め、年老いたりケガをしたりした犬や猫も引き取ったので、関係者から「神様」扱いされていた。年間200匹ほども引き取っていたが、生きて見つかったのは、犬21匹と猫4匹だけだった。

ペットを巡っては、「多頭飼育崩壊」によるトラブルが全国で問題になっている。しかし、川田代表は、女性のケースは違うのではないかと言う。

「この方は、頼られて断り切れずにたくさん飼ったのではなく、『困った犬おらへん?』と自分から積極的に声をかけて集めているんですよ。世話をし切れないことを知っていて、そうしているのではないかとも疑っています。『老犬専門だから』とも言っており、死ぬのを待っていたのではないかとさえ思ってしまいますね」

大阪・毎日放送(MBS)が6月5日に流したニュースによると、女性は、「普通にエサとか毎日ちゃんとやっていました」と同局の取材に答えた。犬や猫の死骸は20〜30匹ぐらいあるといい、その理由については、「看取り覚悟で保護していた子たちばかりなので」と話していた。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)