ハイシェン、メイサーク...よく見るようになった「台風の名前」 命名にはこんなルールが!

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「史上最強クラス」の台風10号は「Haishen(ハイシェン)」、台風9号は「Maysak(メイサーク)」――。毎年夏から秋に発生する台風に、番号に併記して付けられている名前だ。テレビの気象情報などではあまり聞かれないが、ネットの気象ニュースでは目にすることが多くなった。そもそも台風に名前が付けられるようになったのはいつからなのか。誰が付けているのか。

アメリカでは、ハリケーンに「カトリーナ」や「ディーン」などと発生の度ごとに米国海洋大気局国立ハリケーンセンターが命名しており、ハリケーンの被害を日本語で伝えるテレビやネットのニュースでも一般的に使用されている。ただ、日本近海で発生する台風は、「10号」や「18号」などと数字だけで報じられることが多い。

140個の名前があらかじめリストアップされていた

実は、日本近海の台風の名前は2000年からアジア風の名前で付けられている。日本を含むアジアの14カ国・地域が加盟する、各国の政府間組織である「台風委員会」が命名することを始めた。気象庁のサイト( https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-5.html )にその理由が書いてあった。

「国際社会への情報に台風委員会が決めた名前をつけて、それを利用してもらうことによって、アジア各国・地域の文化の尊重と連帯の強化、相互理解を推進すること」
「アジアの人々になじみのある呼び名をつけることによって人々の防災意識を高めること」

このアジア風の台風の命名方法はシンプルだ。あらかじめリストアップされている140個の名前を、台風の発生順に割り振っていく。台風の年間発生数は平均で25.6個。概ね5〜6年で140個の名前が一巡するのだ。

このアジア名は加盟14カ国・地域が10個ずつ提案したものが使われている。日本が出した10個は次の通りだ。

「Koinu(コイヌ=子犬)」 「Yagi(ヤギ)」 「Usagi(ウサギ)」 「Kajiki(カジキ)」 「Kammuri(カンムリ=冠)」
「Kujira(クジラ)」 「Koguma(コグマ=小熊)」 「Kompasu(コンパス)」 「Tokage(トカゲ)」 「Yamaneko(ヤマネコ)」

これらの名前は星座名に由来するものだ。星座名を提案した理由は。

「特定の個人・法人の名称や商標、地名、天気現象名でない『中立的な』名称であること、『自然』の事物であって比較的利害関係が生じにくいこと、大気現象である台風とイメージ上の関連がある天空にあり、かつ、人々に親しまれていることが挙げられます」(気象庁)

次に台風11号が発生すれば名前は・・・

ちなみに史上最強クラスの台風10号・ハイシェンは中国からの提案名で「海神」を意味する。台風9号・メイサークはカンボジアの提案名で、木の名前に由来するという。今年、台風11号が発生すれば名前は「Noul(ノウル)」になる予定だ。北朝鮮が提案した名前で、「夕焼け」を意味する。台風12号は「Dolphin(ドルフィン=いるか)」で香港が提案したものだ。

140個の名前は、いずれも「文字数が多過ぎないこと(アルファベット9文字以内)、音節が多くなくて発音しやすいこと、他の加盟国・地域の言語で感情を害するような意味を持たないこと」(気象庁)などのしばりがあるという。

ちなみに、ほかに台風委員会に加盟している国・地域は、ラオス▽マカオ▽マレーシア▽ミクロネシア▽フィリピン▽韓国▽タイ▽アメリカ▽ベトナムだ。いずれも台風の影響を受ける北西太平洋と南シナ海の国・地域だ。

昨今はインターネットで民間気象情報会社の配信する気象ニュースを目にすることも多い。「ウェザーニュース」を運営する「ウェザーニューズ」社(本社・千葉市)は「(自社のニュースで)いつからアジア名を付けるようになったのかはデータが残っていませんが、気象庁が台風名にアジア名も付け始めたことを受けて弊社でも併記するようになりました」(広報担当者)という。

一方、民放各局のニュースや情報番組の担当者は「まだ一般視聴者には聞き慣れないのと、文字数が多く読むとその分長くなってしまう」ことなどから、原則的にはアジア名は読み上げていないという。