病床使用率「大変動」東京だけじゃなかった 基準あやふや?首相会見でも「信憑性」に疑問の声

病床使用率「大変動」東京だけじゃなかった 基準あやふや?首相会見でも「信憑性」に疑問の声

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新型コロナウイルスの感染状況に関する重要指標にあたる病床使用率が東京都で急に下落した問題は、都独自の集計基準が国の基準に変更されたことが原因だった。

原因はさまざまだが、これと似た事態は京都府や神奈川県でも起こっている。この指標は、緊急事態宣言の発令や解除にも影響するだけに、2021年3月5日の菅義偉首相の記者会見でも、「大幅な修正が何度も続くようであれば、数字の信憑性にも関わってくる」と問題提起する質問が出た。

京都府は「個室利用」前提に精査、神奈川県は病院からの回答を反映

東京都の問題は、2月16日時点の重症患者の病床使用率は86.2%だったが、23日時点の数字は32.7%で、前週比で実に53.5ポイントも改善したというもの。使用率は重症患者数を病床確保数で割って算出するが、「分子」にあたる重症患者数は国と東京都で同じだった一方で、「分母」にあたる病床確保数が国と都で違ったのが急改善の原因だ。都が国の基準に合わせる形で病床数を500から1000に修正したため、「431人/500床=86.2%」だったものが、2月23日は「327人/1000床=32.7%」になった、というわけだ。

これと逆のことが起きたのは京都府。1月27日時点での全体の病床使用率は39.4%だったが、翌週の2月3日には53.1%と13.7ポイントも増えている。これは、従来は720床としてきた確保病床数を、個室として利用することを前提に精査した結果として、2月3日から416床に下方修正したためだ。1月27日は「284/720床=39.4%」だったものが2月3日には「221人/416床=53.1%」になった、ということだ。

神奈川県も1月26日、病床数を1939床から1555床に変更。前週の1月19日「961人/1939床=49.6%」に比べると1月26日は「935人/1555床=60.1%」と、10ポイント以上上昇している。引き下げ前は20年4月に県内の76病院が「確保可能」と回答した数を集計した数字で、今回は91病院の回答をまとめた。冬場はコロナ以外の病気で入院する患者が増える分、コロナ患者向けに確保できる数が減ったとみられる。

「大幅な修正が何度も続くようであれば、数字の信憑性にも関わってくる」

3月5日の首相会見では、こういった状況を念頭に、

「大幅な修正が何度も続くようであれば、数字の信憑性にも関わってくる」
「何か基準みたいなものをもう一度より明確に何か統一するとか、そういったお考えというのはないか」

などと問題提起する質問も出た。菅氏は2月下旬に都が国の基準に基づいて指標を公表するようになった経緯に言及した上で、

「全国の都道府県というのはほぼ国の基準で行っているが、そうでないところについては国の基準に合わせてほしい、そうした指導をしている」

と答弁した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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