埋め立て、遺骨混入の恐れ=反対意見書の採択相次ぐ―辺野古移設で波紋・沖縄

埋め立て、遺骨混入の恐れ=反対意見書の採択相次ぐ―辺野古移設で波紋・沖縄

ハンガーストライキを行う具志堅隆松さん=6月22日、沖縄県糸満市

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり、政府が進める埋め立て用土砂の採取計画が波紋を呼んでいる。太平洋戦争の激戦地となった県南部から土砂を集めることから、戦没者の遺骨が混入する恐れがあるためだ。県外出身者の遺骨も含まれる可能性があり、各地の議会が計画に反対する意見書を採択するなどの動きも広がっている。

 防衛省は昨年、埋め立て予定地に軟弱地盤が見つかったことを受け、設計変更を県に申請した。土砂の採取も計画し、全体の7割を戦争で多くの死者が出た沖縄本島の「南部地区」が占める。

 防衛省は「業者が遺骨の有無を判別する。混入する土砂は埋め立てに使用しない」とする。しかし、現地で約40年にわたり遺骨収集を続ける具志堅隆松さん(67)は「目視で識別するのは不可能だ」と懐疑的だ。設計変更申請の不承認を県に求め、「遺骨を基地の土台にするのは人道上許されない」とハンガーストライキして訴えた。

 平和祈念資料館(糸満市)によると、沖縄戦での死者は20万人を超え、北海道約1万800人、福岡県約4000人など県外出身者も約6万6000人に上る。今なお数万柱の遺骨が残されているとみられる。

 遺骨を含む土砂の不使用を求める動きは全国に広がり、6月以降に金沢市、長野市、奈良県などの地方議会が意見書を採択した。具志堅さんは「全国の沖縄戦遺族に知ってほしい」と話す。

 出征した叔父を亡くした浦添市の翁長明美さん(67)に国から返されたのは、きり箱に入った3個の石だけだった。「骨が南部にあるかもしれない。国のために死んだのに納得できない」と土砂の採取計画を批判した。 【時事通信社】