震災遺構、大川小が公開=学校防災の教訓伝える―宮城・石巻

震災遺構、大川小が公開=学校防災の教訓伝える―宮城・石巻

震災遺構として整備され、一般公開が始まった宮城県石巻市立大川小学校=18日午後、同市

 東日本大震災の津波で児童と教職員計84人が犠牲となった宮城県の旧石巻市立大川小学校が市の震災遺構として整備され、18日に一般公開が始まった。被災の爪痕が残る旧校舎を近くで見学できるほか、敷地内の震災伝承館では校舎内部の写真や当日の避難経路などが展示され、学校防災の教訓を来訪者に伝える。

 旧校舎は現状保存され、周囲に解説パネルを設置した。校舎内には入れないが、外壁を失ってむき出しになった教室や、ねじれた渡り廊下などを柵の外から見学できる。

 地震後、児童は教員の指示で約45分間校庭で待機し、避難を始めた直後に津波に襲われた。遺族は訴訟を起こし、2019年10月には学校側の事前防災の不備を認めた仙台高裁判決が確定した。伝承館では、震災当日に児童らが取った行動や学校周辺のジオラマなどを展示するとともに、訴訟の経緯も紹介している。

 市は17年に遺構の整備方針を示し、20年4月に工事を開始。今年4月の公開を目指したが、展示内容について遺族らと協議が続いていた。

 当時小学6年の娘を亡くした佐藤敏郎さん(57)は展示を見て、旧校舎を保存した経緯や学校の事前の備えについても説明すべきだと指摘。「分かりやすく伝える工夫はこれからもやっていかないといけない」と力を込めた。

 東京都から訪れた会社員松本邦弘さん(39)は「校舎を見た後に伝承館の展示を見ることでより理解が深まった。ここで起きたことを後世に伝えていくことが大事だと思う」と話した。 【時事通信社】