公判日程、いまだ見えず=証拠膨大、長引く手続き―京アニ事件から2年・京都

 京都アニメーション放火殺人事件は発生から2年となったが、殺人罪などで起訴された青葉真司被告(43)の裁判員裁判は初公判の期日も決まっていない。司法手続きの長期化で、被告の記憶が薄れるとの懸念もある。

 青葉被告は重度のやけどを負い、約10カ月にわたり入院。体調の回復を待って昨年5月に京都府警が逮捕した。約半年間の精神鑑定を経て、京都地検は昨年12月、「刑事責任能力がある」として起訴した。しかし、争点を絞り込む公判前整理手続きの期日は決まっておらず、初公判のめども立っていない。

 元裁判官で法政大法科大学院の水野智幸教授(刑事訴訟法)は「検察官から弁護人への証拠開示に時間がかかっているのではないか」と推測。犠牲者が多く、証拠も膨大なため「検察から開示を受けないと弁護側は方針を決められない」と話す。手続きの長期化に一定の理解を示しつつ、「事件や記憶が風化していくのは大問題」と語った。

 公判では青葉被告の刑事責任能力の有無や程度が最大の争点になるとみられる。弁護側が改めて精神鑑定を請求すれば、さらなる長期化は必至だ。

 甲南大法科大学院の渡辺修教授(刑事訴訟法)は「弁護士が再度請求する精神鑑定に被告が耐え得る状態か裁判所が見極めようとしているのではないか」と分析した。 【時事通信社】