運輸安全委資料開示求め提訴=報道団体、事故調査に疑問―東京地裁

運輸安全委資料開示求め提訴=報道団体、事故調査に疑問―東京地裁

沈没した「第58寿和丸」(第2管区海上保安本部提供)

 千葉県銚子市の犬吠埼沖で2008年6月、漁船「第58寿和丸」(福島県いわき市)が沈没し、17人が死亡・行方不明となった事故をめぐり、調査した運輸安全委員会の資料が不開示となったのは違法として、報道団体「フロントラインプレス」(東京都港区)が19日、国を相手取り不開示決定の取り消しを求めて東京地裁に提訴した。

 訴状などによると、運輸安全委は11年4月、大波によって漁船が転覆した可能性を指摘する調査報告書をまとめ、公表した。事故生存者の乗組員3人は「波は静かだった」などとして訂正を求めたが、運輸安全委は受け入れなかったという。

 フロントラインプレスは乗組員の証言や専門家への取材などから、漁船から数キロリットルの油が流出したはずなのに、報告書では漏えい量が少量になっていると指摘。船の高所にロープなど2トンが載っていたとの記載についても、船体が不安定になるため載せるはずがないとし、事故原因は船底破損の可能性があると主張している。

 運輸安全委は「訴状が届いていないのでお答えできない」としている。 【時事通信社】