究極の藤井将棋完成間近?=「天敵」豊島二冠を圧倒―将棋

究極の藤井将棋完成間近?=「天敵」豊島二冠を圧倒―将棋

第6期叡王戦5番勝負第5局終局後の藤井聡太三冠(右)と豊島将之竜王=13日、東京都渋谷区(日本将棋連盟提供)

 先月下旬、王位戦で豊島将之二冠(31)=竜王、叡王=の挑戦を退けたばかりの藤井聡太二冠(19)=王位、棋聖=が、今度は豊島二冠から叡王を奪い、最年少記録で三冠となった。

 来月には、将棋界最高位とされる竜王を懸け、再び両者の死闘が始まる。王位戦開始時までは「天敵」とみられていた豊島竜王を圧倒する今の勢いを、藤井三冠はいかにして得たのか。

 藤井三冠はデビュー以来、豊島竜王に公式戦6連敗。今年1月にようやく初勝利を挙げたが、6月末の王位戦第1局も完敗し、極端なまでの相性の悪さが目に付いた。

 「序盤、中盤、終盤、隙がない」と言われる豊島竜王は、将棋AI(人工知能)を早くから研究に取り入れ、緻密な序中盤で優勢を築くスタイル。一方、藤井三冠は、プロ入り前の小学6年生の時から「詰将棋解答選手権」で優勝し続けている圧倒的な終盤力が最大の武器だ。

 「終盤まで互角で行ってしまうと、藤井さんが勝つ。終盤の『詰む、詰まない』の読みでは誰もかなわない」と指摘するのは、明快な解説で人気の飯島栄治八段(41)。「半面、序盤にリードを奪われて負けるパターンが多かったが、最近はそんな隙を克服したように見える」

 日本将棋連盟が行ったインタビューで、藤井三冠は最近、最新型のAIを使って序盤の研究をしていることを明かしている。飯島八段は「新たなAIの感覚を時間をかけて自分のものにし、序盤の精度を高めたのではないか」と推測する。

 さらに大きいのがメンタル面の効果だ。「連敗続きの相手でも、一勝できれば苦手意識が消えるのが棋士心理。王位戦以降の対局を見ていると、『究極』の藤井将棋が完成するのも時間の問題かという気さえしてくる」と飯島八段は話している。 【時事通信社】