率いるのは「人の組織」=16日就任、大石吉彦新総監

率いるのは「人の組織」=16日就任、大石吉彦新総監

取材に応じる大石吉彦新警視総監=13日、東京都千代田区

 第97代警視総監に警察庁の大石吉彦警備局長(58)が16日付で就任。「警察は人の組織」との思いを新たに、首都・東京を守る警視庁を率いる。

 警備・公安の経験が長く、東京五輪・パラリンピックも局長として警備を指揮。新型コロナウイルス下で部隊の派遣・配置計画の見直し、大規模部隊の感染対策という経験のない課題に直面した。先の読めない展開が続き、神経をとがらせたが、「大会が始まってからもさまざまなことがあった。現場はもっと大変だったと思う」と苦労をおもんぱかる。

 埼玉県警捜査2課長だった1993年、県議会の汚職に切り込んだ。前議長やドンと呼ばれる重鎮議員らを相次ぎ逮捕し、県政界の浄化につなげた。

 捜査は薄氷を踏むような緊張の連続だった。行き詰まった時は、「これ以上悪いことは起きない。前を向いて頑張ろう」と捜査員を激励して難局を突破した。「思いを持って前に進んでいく環境にできるかどうかが大事。警察は人の組織だから」と熱く語る。

 周囲の評は「柔和で手堅い」「芯がありぶれない」。仕事柄、重大な局面で判断を迫られることは多い。指揮官として「リスクを取りながら決断していくことが大事」との心構えを明かす。

 「世のため人のため」を実感できる仕事として、警察の道を選んだ。健康法はストレッチと腹八分目。緊張を強いられる日々が続くが、趣味の観劇や音楽鑑賞で息抜きも忘れない。 【時事通信社】