国交省、チェックの甘さ露呈=「補助者」口頭申告のみ

 新たに公表された「知床遊覧船」に対する指導内容などの文書からは、同社の安全意識の希薄さに加え、国土交通省北海道運輸局の緩い監査と、行政指導後のチェックの甘さも明らかになった。

 昨年7月の指導を受け同社は、営業所に安全統括管理者と運航管理者が不在の場合、補助者を配置すると報告。しかし、補助者については届け出義務がないため、同局は口頭申告のみで認めていた。その結果、申告された人物が本当に補助者として従事していたのか、事故当時にも補助者だったのかはっきりと分からないという。

 安全統括管理者と運航管理者は桂田精一社長が兼務していたが、事故当時は営業所を離れていた。公表された桂田社長の運航管理者選任届には、「運航管理の実務経験が3年以上」という要件を満たすと記されていたが、同局は裏付けを取らずに申告ベースで通していた。

 昨年10月に行われた同局の抜き打ち検査で、同社は運航管理者と船長との連絡に使う携帯電話の会社を変更し、つながるようになったと申告していた。しかし、事故の3日前に行われた代行機関による検査では、変更前の携帯電話会社に戻すと申請し、認められていた。申請された船長の携帯電話は事故当時、通信圏外だったとみられている。

 事故前の検査は「日本小型船舶検査機構」が代行していた。国交省の担当者は「機構との情報共有ができていなかった」と落ち度を認めた。 【時事通信社】