日中草の根交流続ける=日曜語学サロンを主催―来日30年、段躍中さん・国交50年

日中草の根交流続ける=日曜語学サロンを主催―来日30年、段躍中さん・国交50年

インタビューに答える日本僑報社代表の段躍中さん=12日、東京都豊島区

 日本と中国が国交を回復してから29日で50年を迎える。日中関係の書籍を扱う出版社「日本僑報社」代表の段躍中さん(64)は、1991年に来日して以来、語学サロンの開催など草の根の交流活動を続けてきた。現在の両国関係は良好とは言えないが、「民間交流はどんな時代でも必要」と話す。

 東京・池袋の公園で日本人と中国人がお互いの言語を教え合い、自由に会話を楽しむ「星期日漢語角(日曜中国語サロン)」。コロナ禍で2020年12月以降はオンライン開催となっているが、07年8月から毎週日曜、段さんの主催で700回以上開かれ、参加者は延べ3万人を超えた。予約不要で誰でも無料で参加できる気軽さが好評だ。

 「大変だったのは尖閣諸島国有化の時。周りの人々の嫌な目線を感じた。通報もされた」と段さんは明かす。「ここはあくまで語学中心に勉強する場なので」と、その頃から政治の話題は控えるようルールを決め、現在まで続けている。

 段さんは中国メディアの記者を経て91年に来日した。「日本の報道を見て一番強く感じたのは外国人の犯罪報道。優秀な中国人はマスコミではなかなか取り上げられなかった」と当時を振り返る。

 新潟大大学院で現代中国人の日本留学について研究した後、日本僑報社を設立した。「記者出身なので、出版社が最も日中交流に力を発揮できると思った。目指したのは日中の懸け橋」と語る。「星期日漢語角」も、同社主催の日本人向け中国語作文コンクール受賞者に、「定期的に交流できる場がほしい」と要望されたのがきっかけで始まったという。

 間もなく国交回復50年を迎えるが、「何もできない。両国は緊張関係でぎくしゃくしている」と残念がる。一方で「中国、日本のことをもっと知ってもらい、ファンを増やすのが私たちの仕事」と話し、「お互いに努力をした先輩たちがいたから今の両国はある。こういう時代こそ交流を続けていく」と前を向いた。 【時事通信社】