住吉会会長らに賠償命令=特殊詐欺の使用者責任認定−水戸地裁

 組員が組織した特殊詐欺グループの被害者らが、暴力団対策法に基づく「使用者責任」があるとして、指定暴力団住吉会の関功会長ら2人に計約715万円の賠償を求めた訴訟の判決が23日、水戸地裁であった。前田英子裁判長は関会長と福田晴瞭特別相談役の使用者責任を認め、2人に計605万円の支払いを命じた。

 原告側弁護団によると、特殊詐欺に関する暴力団トップの使用者責任を問う訴訟で、賠償命令が出されたのは初めて。暴力団が関与した特殊詐欺事件などで被害救済が進む可能性がある。

 暴対法は、指定暴力団の組員が威力を利用した資金獲得行為を行い、他人の生命や財産を侵害した場合、代表者らは損害を賠償する責任を負うと定めている。特殊詐欺事件では被害者に暴力団名が告げられることはなく、詐欺グループが威力を用いたかが主な争点だった。

 判決で前田裁判長は、組員がグループを指揮するに当たり、住吉会の威力を利用したと認定。共犯者を集めるなど行為の過程で威力を用いた場合も、暴対法が適用されると判断した。

 原告は、未遂を含む詐欺被害に遭った女性3人。判決などによると、住吉会系組員は2016年、組員であることを利用して共犯者を集めた上で、原告の親族に成り済まして電話をかけるなどして、現金200万〜300万円をだまし取った。 【時事通信社】