障害者施設、再開見通せず=台風に伴う大雨で堤防決壊し浸水−宮城・大郷町

障害者施設、再開見通せず=台風に伴う大雨で堤防決壊し浸水−宮城・大郷町

施設内に流れ込んだ泥をかき出す障害者福祉施設「めるくまーる粕川みらい」のスタッフ=16日午後、宮城県大郷町

 宮城県大郷町では吉田川の堤防が決壊し、大量の水が付近の住宅に流れ込んだ。町内にある通所型の障害者福祉施設2カ所も被災。職員は「一日でも早く再開したい」と片付けを急ぐが、施設内は泥だらけでインフラも一部復旧しておらず、再開までの道のりは遠い。

 堤防のすぐ近くにある「めるくまーる粕川みらい」は、施設の1階部分が2メートルほど水に漬かった。障害を持つ子どもが放課後に遊んだり宿題をしたりして過ごす施設で、小学校の旧校舎を再利用して昨年4月に開所したばかりだった。

 水が引いてから職員の青柳克則さん(61)が中に入ると、「まるで津波が押し寄せたようだった」という。1階は田んぼから流れ込んだ稲わらや泥で埋め尽くされ、備品が散乱。決壊箇所から流れ出た水を直接受け止めた体育館には大きな穴が開いた。

 スタッフ約10人が総出で片付けに追われるが、「人手は全然足りない」状態だ。青柳さんは「早く復旧したいが、どれくらい時間がかかるか」と肩を落とした。

 堤防から約400メートル離れた「わ・は・わ大郷」も床上5センチほどの浸水に見舞われた。施設管理者の仲野谷仁さん(42)は、かつて吉田川が氾濫した話を聞いたことがあり、台風に備えて施設の物品を移動し、車を高台に避難させたという。「利用者の送迎に必要な車が守れたのは大きい」と胸をなで下ろした。

 ただ、施設内の泥出しや洗浄は終わったもののトイレが使えず、再開のめどは立たない。約20人の利用者は隣村の施設に通ってもらっている。ニュースで施設の被災を知って泣きながら心配する利用者もおり、仲野谷さんは「一日でも早く再開して、利用者を安心させてあげたい」と力を込めた。 【時事通信社】