北陸新幹線・工場、復旧半ば=浸水車両は廃車―台風19号1カ月

 北陸新幹線車両の浸水をはじめ甚大な被害をもたらした台風19号は12日、上陸から1カ月となる。生産再開にこぎ着けた被災工場がある一方で、工場団地が浸水被害を受けた福島県郡山市では、パナソニックが操業を停止したまま。北陸新幹線は全線運転こそ再開したものの、運行本数が通常の8割にとどまり、復旧は道半ばだ。

 今回の台風では、北陸新幹線の車両全体の3分の1に当たる10編成120両(1編成12両)に浸水し、廃車が決まった。車両を保有するJR東日本と西日本は製造し直す方針だが、費用は300億円を超える見込みだ。

 車両減少により、北陸新幹線の運行にも支障が出ている。JR東は別途、上越新幹線用の新造車両を北陸に回すことで運行本数の確保に努めているが、通常本数に戻るのは来年3月の見通し。年末年始の帰省需要をにらみ、運行スケジュールの調整に知恵を絞る。

 パナソニックの郡山工場は復旧にあと1カ月程度を要する見通し。電子部品などの供給再開に向け中国、台湾の工場での代替生産を検討する。

 トヨタ自動車グループの豊田自動織機は11日、部品の仕入れ先が被災したことで停止していた高浜工場(愛知県高浜市)をようやく一部再開。SUBARU(スバル)も部品調達先の被災で群馬製作所(群馬県太田市)の操業を一時見合わせ、1万1000台分の生産に影響が出た。

 農業も打撃を被っている。農林水産省によると、台風19号とその後の大雨による農水関係被害額は2500億円を超えており、政府は営農再開に向けた支援を急いでいる。 【時事通信社】