厳かに大嘗祭、とばり奥で静かに祈り=かがり火、陛下照らす

厳かに大嘗祭、とばり奥で静かに祈り=かがり火、陛下照らす

「悠紀殿供饌(きょうせん)の儀」のため、御祭服を着て大嘗宮の悠紀殿に向かわれる天皇陛下=14日午後、皇居・東御苑(代表撮影)

 かがり火の中、白の装束に身を包んだ天皇陛下の姿がほのかに浮かんだ。14日夜から、皇居・東御苑で幻想的な雰囲気の中、厳かに行われた大嘗祭。参列者は、とばりの奥で神と向き合い、静かに祈られる陛下の姿を想像しながら、天皇一世に一度の儀式を目を凝らして見守った。

 大嘗宮の悠紀殿では、午後6時すぎに参列者席の照明が落とされ、神に供える食事を準備する「膳屋(かしわや)」の方から宮内庁楽部の楽師が歌う「稲舂歌(いなつきうた)」が流れ、庭積帳殿に全国の農林水産物「庭積の机代物」も供えられた。

 廻立殿を出発した陛下は、侍従の持つたいまつ「脂燭」の明かりに導かれ、皇位の証しとされる剣と璽や、裾を持つ侍従、「御菅蓋(おかんがい)」と呼ばれるすげがさを持った侍従を前後に従え、しずしずと悠紀殿に進み、午後6時半すぎ外陣に入った。陛下の道筋には「葉薦(はごも)」という敷物が敷かれ、後ろには巻き取る侍従も。

 続いて髪をおすべらかしにし、白の十二単(ひとえ)姿の皇后さまが現れ、帳殿に入った。「国栖の古風(くずのいにしえぶり)」や、悠紀地方(栃木県)の「風俗歌(ふぞくうた)」が流れ、拝礼を終えた皇后さまは先に廻立殿に戻った。

 その後、神への供え物を運ぶ「神饌行立(しんせんぎょうりゅう)」が始まり、「筥(はこ)」に入った米とアワの飯、鮮魚や干物、果物などが悠紀殿内に運び込まれた。

 「オーシー」という掌典の声の後、陛下はとばりの奥の内陣に入った。外陣での掌典らの様子は透けて見えたが、内陣での「秘事」は外から全くうかがい知れない。宮内庁によると、陛下は伊勢神宮の方を向いて座り、采女(うねめ)と呼ばれる女性2人の介添えで、食べ物を箸でカシワの葉の皿に載せ、神に供えた。続いて拝礼し、御告文を読み上げ、飯と白酒(しろき)、黒酒(くろき)を口にした。徐々に冷え込む中、悠紀殿での儀式は約3時間で終了した。 【時事通信社】