「大きな存在、日本にも損失」=中村医師の知人、死悼む

 「大きな存在を失い、アフガニスタンにも日本にも損失だ」。取材などで中村哲医師と面識があったジャーナリストの常岡浩介さん(50)は突然の死を惜しんだ。常岡さんによると、中村さんは「(インド独立運動指導者の)マハトマ・ガンジーのようだ」と言われるほど地域に溶け込んだ質素な生活を送り、民族衣装を身に着け現地の言葉も完璧だったという。

 アフガンの支援先では、他のNGOのように厳重な護衛を付けず、「絶対に武装はしない」と周囲に語っていた。食事にも無頓着で、常岡さんが東部の都市ジャララバードにある自宅を訪ねた際は、真っ暗な部屋でふりかけご飯を食べていたという。

 常岡さんは、「穏やかな人だったが、怒る時はとても怖い人。素晴らしい人に限って早く亡くなってしまい、悲しい」と涙声で語った。

 アフガンで地雷回避教育などに取り組むNGO「難民を助ける会」(東京)の堀江良彰専務理事(51)は、「あそこまで中に入り込める人はいない。現地での信頼も厚く、本当に別格な方だった」と敬意を表した。

 今でも覚えているのは、堀江さんが同会の活動に携わって間もない約20年前、既にアフガンで実績を積んでいた中村さんとテレビ番組で共演したときのこと。「当時から寄り添おうとする気持ちが強かった。言葉に迫力があり、重みがあった」と振り返った上で、「信じられない思いだ」と悲しんだ。 【時事通信社】