裁判員裁判に再開の動き=コロナ対応、改正求める声も―21日で導入11年

裁判員裁判に再開の動き=コロナ対応、改正求める声も―21日で導入11年

新型コロナウイルスの感染対策で、アクリル板が設置された裁判員裁判の法廷=19日、青森地裁(代表撮影)

 新型コロナウイルス感染拡大で全国的に停止された裁判員裁判に再開の動きが出てきた。延期は感染防止のためだったとはいえ、「迅速な裁判を受ける被告の権利が侵害された」との指摘もあった。裁判員制度導入から21日で11年。想定外の事態に見舞われた司法現場からは、制度改正や柔軟運用を求める声が上がった。

 松江地裁は18日、危険運転致死事件の初公判を開いた。関係者によると、緊急事態宣言の発令後初のケースで、裁判員6人一人ひとりの間にアクリル板が設置され、2人の補充裁判員は間隔を空けて着席。傍聴席も通常の3分の1程度で、休廷中、地裁職員がドアを開け、扇風機で空気を入れ替えていた。

 青森地裁でも19日、裁判員の間にアクリル板を設置し、飲酒運転事故の初公判が行われた。地裁によると、裁判官と裁判員らが非公開で議論する評議のため、いつもより広い部屋を用意したという。

 「裁判員裁判の再開が一番難しい」。民事、刑事、さまざまな裁判が相次いで延期された4月、法曹関係者の間では、こうした意見が大勢を占めたが、あるベテラン裁判官は「運用の工夫で乗り切れる」と期待する。

 ただ、緊急事態宣言が続く東京地裁では約30件が延期されたままだ。日弁連刑事弁護センター事務局長の菅野亮弁護士によると、感染者が多い都市部の裁判所は多くの事件を抱え、秋まで裁判が延期になったものもあるという。

 菅野弁護士は「多くの事件で被告の身体拘束が続き、裁判を早く受ける権利が侵害されている」と問題点を指摘。現場からは、裁判員の人数を減らしたり、裁判員裁判からの除外を可能にする法改正を求めたりする声が上がっているといい、「コロナ禍は来年もどうなるか分からない。一部IT化なども検討すべきだ」と訴えている。 【時事通信社】