一時金も「焼け石に水」=都内の飲食店取引業者―緊急事態宣言

 緊急事態宣言に伴う飲食店の営業時間短縮で打撃を受けた取引先に、最大40万円の一時金が支給されることが12日、決まった。酒や氷を卸す業者からは、給付を評価する声が上がる一方、苦境を乗り切るには到底足りないとの本音も漏れた。

 東京・銀座や赤坂のバーやクラブ約800店に氷を納入する「飯倉商会」(港区)。3代目の町田和之さん(57)は「ありがたいが、焼け石に水」と冷静だ。1月の売り上げは1年前と比べ500万円以上落ち込むという。

 家賃や配達車両のリース代など毎月600万円の固定費がかかる。先行きが不透明な状況に「これで『支援はした』と片付けられてしまっては困る。事業規模に応じて柔軟な対応を」と訴えた。

 居酒屋や宴会場に酒を卸す「佐々木」(新宿区)の佐々木実社長(66)も「気持ちはうれしいが従業員は70人。1回限り40万円では足しにならない」と苦笑する。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、閉店した取引先も多く、売り上げは半減。忘年会や新年会の中止で年末年始は壊滅的な状況だったといい、昨年はたる酒が300売れたが今年はゼロだった。

 「予算は無限ではないし、時短営業の協力金6万円で売掛金を払ってくれた店もある」と佐々木社長。「今は取引先が1軒でも多く生き残ってほしい」と願いを込めた。 【時事通信社】