「金魚電話ボックス」著作権侵害=美術作家が逆転勝訴―商店街に賠償命令・大阪高裁

「金魚電話ボックス」著作権侵害=美術作家が逆転勝訴―商店街に賠償命令・大阪高裁

勝訴判決後、自身の作品「メッセージ」が印刷されたのぼりの前で記者会見する山本伸樹氏(右)=14日午後、大阪市北区

 水の入った電話ボックスの中を金魚が泳ぐオブジェ「金魚電話ボックス」で著作権を侵害されたとして、福島県いわき市の現代美術作家山本伸樹さん(64)が、オブジェを設置した奈良県大和郡山市の商店街に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が14日、大阪高裁であった。山田陽三裁判長は請求を棄却した一審奈良地裁判決を変更、商店街側にオブジェの廃棄と55万円の支払いを命じた。

 山田裁判長は山本さんの作品について、「制作者の個性が発揮され、創作性がある」と指摘。商店街のオブジェについて、「思想や感情を創作的に表現した作品とは言えず、原告作品を複製したもの」と判断した。

 判決によると、山本さんは2000年以降、電話ボックスのような水槽の中で金魚が泳ぐ作品「メッセージ」を制作し、美術展などで展示した。商店街は14年にオブジェを設置したが、山本さんの抗議を受け、18年に撤去した。

 判決後、大阪市内で記者会見した山本さんは「完全勝訴だ」と笑顔を見せ、「この判決が(美術作家らが)少しでも報われるような前例になれば」と語った。

 一審奈良地裁は19年7月、電話ボックスの中を金魚が泳ぐ山本さんの発想について、「アイデアにすぎず、著作権法の保護の対象にならない」と判断していた。 【時事通信社】