止まらない店舗数減 ブックオフ経営危機のドロ沼の先

中古本チェーン最大手のブックオフコーポレーションが、危機的状況に陥っている。3月期の連結決算が一昨年で5億2000万円、昨年が11億5000万円、5月発表の決算では8億8000万円の3期連続赤字。『ブックオフ』の店舗数も2010年3月期で1100店舗以上だったのが、今年3月末時点で825店舗と、減り止まらない状況なのだ。

 '91年にスタートしたブックオフは、それまでの古本屋にはなかったコンビニ風の明るい雰囲気と清潔感で人気を集め、瞬く間に全国展開。古書店最大手となった。2005年には東証一部上場、さらに海外にも店舗拡大を図った。
 「'94年当時は創業時からブックオフのパートとして勤めていた橋本真由美氏(現・取締役相談役)が社長に就くなどして話題になった。しかし、'12年あたりから不振となり、店舗を減らさざるを得ない状況となったのです。その最大の原因の一つは、やはり本離れです。ブックオフでは、CDやDVD、ゲームなど幅広く取り扱っているが、メーンの中古本が低迷したことで、大打撃を受けた。加えて電子書籍化も進み、ペーパー本自体の流通が減っていることも追い打ちをかけているのです」(業界関係者)

 それに加えて、業界の中で競争が激化し、本をブックオフに持ち込む人が減少気味であることも、業績悪化に拍車をかけているという。
 「ひと昔前は、同社のCM通り、“本を売るならブックオフ”というほどの一強を誇っていました。しかし、そこへオークションサイトを介した取引が大幅に増え、わざわざブックオフの店舗に行く必要がないと感じる人が多くなった。さらに利用者にとって問題なのが、買い取り価格。ブックオフは査定が明瞭で、1冊10円がザラなのに対し、ネットでの売買では、出品数が少なければ“いくら出しても買う”という人が全国で手を上げる。こうしたことも、店舗の客離れをさらに加速させているのです。ゲームソフトの買い取りについても、競合他社の競り合いに苦戦を強いられている」(同)

 当然ながら、裏を返せば本好きの人が中古本を求めてブックオフに行っても“なかなか欲しい本がない”ことが起こる。
 「今や本はアマゾンだけでなく、他の古書店なども軒並みネット販売をしています。つまり、電車賃やガソリン代をかけてブックオフの店舗に行く必要もなくなったということです。しかも目当ての本があればまだしも、なければ足はますます遠のいてしまう。もちろん、ネットで購入すれば送料が発生しますが、何につけ“時短”が求められるこのご時世において、そこは問わない人も増えている」(古書店関係者)

 このことは、本以外の商材にも当てはまる。
 実際、従来からブックオフで中古品を買売していた人はいま、オークションサイトでヤフーが運営する『ヤフオク!』や、フリーマーケットアプリ『メルカリ』などのEC(電子商取引)市場に流れている。
 「個人間のEC市場の成長は急激に伸びています。経産省による統計では、ネットオークションの市場規模は'17年で対前年比3.2%増の1兆1200億円。そのうち個人間での取引は、3569億円にものぼる。特に『メルカリ』や楽天が運営する『ラクマ』など個人取引のフリマアプリ市場規模は、約60%増の5000億円を窺う巨大市場になりつつあるのが現状です」(前出・業界関係者)

 ただ、そうした状況を、ブックオフもただ指を咥えて見ているわけではない。
 「ブックオフでも、当然ながらオンライン事業を強化している。自社サイトを持ち、出張引き取りサービスも行い、楽天や『ヤフオク!』も活用しています。ヤフーとは資本業務提携を結び、3年前にヤフオク上で店舗を開設、昨年からはアマゾンにも出店している。しかし、そちらも売り上げが伸びず大苦戦しているのです」(EC市場関係者)

 '18年3月期のオンライン事業の売上高は、前年比5.9%減の61.4億円で、まさに八方塞がりの状態といっても過言ではない。
 「中古本での不振を大逆転するため、儲け幅も市場も大きい中古家電販売に手を出した。しかし、買い取り自体が思うようにいかず、結局は投資したぶんマイナスとなり、足を引っ張る結果となっている。こちらはもともと友好企業だったハードオフコーポレーションなどが先行して成功を収めており、現時点では完全にアテが外れている状況なのです」(マーケットアナリスト)

 ブックオフは以前、'20年に再び1000店舗にまで復活させ、'30年には1500店舗を目指すと息巻いていた。しかし、重くたれ込めた暗雲は、今のところ晴れる気配はない。
 今後の打開策が注目される。

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