米中貿易戦争の闇‐,313;‐米国の「住宅ローン破綻」と外食産業の客減少の関係

米中貿易戦争は結果として庶民の胃袋を直撃する。トランプ米大統領は、知的財産権侵害に対する報復として中国に対し関税を掛けると、習近平政権も同額の対米輸入品に、同率の報復関税をかけるというイタチごっこが続いている。

 報復品目には農産物が多く、米当局者の脳裏に大豆やトウモロコシはすぐ浮かんだろうが、品目探しに苦労したとみえ、鶏の足や豚の内臓まで加えた。いずれも米国内ではほとんど消費者に見向きもされないため、廃棄されていたのだが、巨大な中国人の胃袋に合わせて輸出されるようになった。

 習政権は、“廃棄物”に値が付いてホクホク顔だった米国の養鶏農家に高関税の打撃を与え、養鶏地帯を選挙地盤とするトランプ支持の米共和党議員への政治的メッセージになると踏んで、それらの輸入を報復リストに加えたのだろう。しかし、中国国民の胃袋の方は自国の報復処置に報復された格好になっている。中華スープがすすれない状況なのだ。

 一方、米中貿易戦争中の米国で国民の中に「新築ローンが払えない」という事態が急増している。株価好調で将来も明るいといわれる米国で、住宅販売が減少傾向となっているばかりか、ここ3年間で初めて「新築住宅の差し押さえ」件数が伸びているというのだ。

“トランプ経済”に何が起きているのか。
「米国のあるシンクタンクから発表されたレポートには『米国住宅市場はこれから不況期に入り、住宅価格も下落する兆候がある』と述べられています。同時に外食産業では、顧客減少に悩まされており、ローンが払えないから外食を控えているのではとの見解が述べられています」(在米日本人ジャーナリスト)

 今年7月のレストラン業界の売り上げ(同一店舗比較)は前年同月比よりも0.54%上昇したものの、来店顧客数は1.78%減っているという。3カ月累積平均(5、6、7月)では、売上高は0.46%上昇したものの、顧客数は1.95%減少した。失業して、せっかく購入した新築住宅も差し押さえられた人々は、当然外食もできなくなっているというわけだ。

 外食をせずにローンに回すことなど、日本の庶民はとっくにやっている話だが…。

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