多重債務者と闇金の横行 銀行系カードローン普及で広がるドロ沼地獄

 日銀が5月18日に公表した『貸出先別貸出金』によれば、国内銀行139行の2016年度末時点のカードローン貸出残高は約5兆6000億円で、消費者金融を含む貸金業者の貸出残高約4兆円を大きく上回っていた模様。どうやら、借金を繰り返す多重債務者が増えているようなのだ。
 「消費者金融は年収の3分の1以下しか貸せない総量規制がありますが、銀行系のカードローンは対象外のため、無担保で多額の借金ができる。人気タレントのテレビCMや銀行系というだけで、いわゆる“サラ金”のイメージを払拭している。ネット申し込みで即日融資を受けられる銀行もあり、収入証明書も不要のため学生や主婦、高齢者までもが借金地獄にはまるケースが後を絶ちません。銀行カードローンは多重債務者の温床となっているのです」(経済記者)

 資金の引き出しや返済がコンビニでできる手軽さも利用者拡大の要因だ。さらに、銀行のカードローンは「ショッピングや別のカードローンの申し込み時に、他社からの借り入れとして申告する必要がない」(信販会社)。1万円の借金から数十万円を繰り返し借りるようになり、気付いたときには数百万円のローン地獄…というわけだ。
 「住宅ローンに比べてカードローンは、10%以上の金利を稼げる非常にうまみのある事業。例えば、20代のサラリーマンで名が通る企業に勤めていれば、年収の6割まで融資枠がある。当然、ターゲットにしています」(メガバンク社員)

 確かに借金をしたい側は、一つの銀行にすがり付くわけではない。
 「結果として年収を上回る過剰な貸し出しが問題となりますから、さすがに自主規制の動きが出てきました」(金融庁関係者)

 とはいえ、規制が強化されれば闇金業者が横行する可能性が出てくる。結局は「すぐ返せば問題ない」という甘い認識を改める以外にないのだ。

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