大量の“囲い込み”が始まる外国人労働者と『労働組合』の問題

『熱烈中華食堂 日高屋』をチェーン展開するハイデイ日高(本社・さいたま市)の業績が好調だ。同社がライバル『幸楽苑ホールディングス』の売上高を抜いたのは2016年のこと。この逆転劇はハイデイ日高が、1999年に株式を公開して以来初めてのことだ。

 日高屋は、マクドナルドや吉野家の近くに店を出すという“コバンザメ的”な出店戦略で知られているが、外国人従業員が約3000人加入する企業内労働組合が結成されたことが分かった。来たるべき外国人労働者の厚生面での充実に向けての第一歩なのか。

 同社や労組関係者によると、名称は「ハイデイ日高労働組合」といい、今年5月に繊維・流通・食品業界などを束ねる産業別労働組合「UAゼンセン」に承認され、労組の中央組織・連合の傘下に入った。店舗網の拡大による従業員数の増加を受け、社内で労組の結成が長く検討されていたという。

 組合員数は約9000人。パートやアルバイトなどの非正社員が8000人超を占め、このうち約3000人がベトナムや中国、ネパール、ミャンマーなどから来ている従業員だ。週28時間以内なら働くことができる日本語学校や専門学校で学ぶ留学生らが多いという。

 「日高屋の特徴は、何と言っても『気軽さと安さ』です。ベーシックメニューの中華そばは390円、餃子は210円、ジョッキ生ビールも310円(いずれも税込み)で、この3つを飲み食いしても1000円札1枚でおつりがきます。つまみも居酒屋的に豊富で、枝豆や冷や奴、皮付きポテトフライなども200円以下、定食でも700円を超えるものはなく、懐事情は厳しくとも勤め帰りに駅前で軽く一杯やりたい“ちょい飲み”のサラリーマン層にとっては今やなくてはならない存在になっています」(外食ライター)

 ところが日高屋に限らず、飲食店やコンビニはどこも若年層の人手不足がネックになっている。

 「国内の労組は、組合員の大半が日本人の正社員で占められています。厚労省の調査によると、国内の約1000万人の組合員のうち9割が正社員ですが、外国人の数を示すデータは今のところありません。一方、現状人手不足が深刻な外食や流通業界などで急増する非正社員を、労組に迎え入れる動きが加速しています。正社員だけの労組では組織が尻すぼみになりかねないためです。同社は非正社員に占める外国人労働者の割合が高く、組合側は人数を確保して経営側との交渉力を高めるには国籍にこだわらない形式が必要と判断したのでしょう」(経済ライター)

 現在、国会で外国人労働者の受け入れ拡大に向けた出入国管理法改正案が審議されているが、さまざまな功罪は現場でなければ分かりようがないだろう。

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