古い首都圏タワマンに危険も

英国タワー大火災が警告する「30年経った首都圏タワーマンションは危険」という事実

 大惨事! 英国ロンドンの24階建て高層マンション『グレンフェル・タワー』で発生した大規模火災は、映画『タワーリング・インフェルノ』の地獄絵図だった。少なくとも17人の死亡が確認されている(6月18日現在)。気になるのは、タワーマンションが林立する日本の防火対策だ。
 「総務省が5年に一度実施している『住宅・土地統計調査』によれば、15階以上の高層共同住宅は直近の2013年調査で約85万棟と、'08年時の約57万棟から1.5倍に増えており、この間、タワマンでの火災発生件数は2倍以上に増加しているのです」(防災アナリスト)

 日本のタワマンは消防法での規制の他、建物の高さや階数などに応じてスプリンクラーの完備、ヘリの離着陸場所の確保、非常用エレベーターといった厳しい防火対策、防火設備の設置が義務付けられている。このためロンドンの火災のように一気に燃え広がるようなことは「日本のタワマンでは考えづらい」と先の防災アナリストは言うが、それは古さにもよる。
 「今回、難を逃れた住民たちは、火災報知機やスプリンクラーなど防火体制の不備を指摘し人災と訴えていますが、ここまで被害が拡大したのは、日本でも広く使われている『外張り断熱工法』をリフォーム時に採用したからではないでしょうか。同工法は工期短縮、低コスト化というメリットがある反面、原料に可燃性のポリスチレンなどが使われているため、いざ着火すると激しく燃える可能性があります」(同)

 3年前に国立研究開発法人建築研究所が、こうした外装材の危険性について注意を喚起したことがある。
 「日本でタワマン建設が始まったのは、英国の被災タワマンより3年古い1971年のことです。最近のものは耐火構造がしっかりしていますが、30年以上前に建てられた鉄筋コンクリート造のマンションは、外壁改修などの際に可燃性の断熱材が『外張り方式』で使われており、さらにその時々の規制に応じてその材質は違うのです。その後も大規模改修の際に、新たな規制に基づいた防火対策、防火設備の導入を行っているでしょうが、最新のタワマンと同等の防火機能を持っているかどうかは、物件ごとに事情が違うはずです」(デベロッパー幹部)

 極端な話だが、古いタワマンについては「燃えてみないと分からない」(同)ということだ。超高層ビルで火災が起きた場合の弱点は、はしご車での消火が届かないこと。東京消防庁では、はしご車のはしごが伸びる最大は40メートル。一般的に高さ60メートル以上は超高層ビルに定義されるが、下からの“チョロ水”か、もしくは全く届かないことになる。ロンドンの大火災は、“対岸の火事”ではないということを肝に銘じたい。

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