浅草・仲見世「賃貸権あります」暗躍する悪徳ブローカーに捜査の手

 「ワンダフル!」海外からの旅行者から歓声が上がる。雷門をくぐった浅草の浅草寺仲見世通りには90店弱の店舗があり、夏本番の観光シーズンに向け、連日にぎわっている。いま、その商店街に悪徳ブローカーが出没し、関係者の頭を悩ませているという。

 浅草の仲見世通り商店街は、江戸時代に誕生した日本最古の商店街の一つ。関東大震災や戦災での焼失を乗り越え、現在は89店舗が入居している。
 「戦後の昭和30年代は、界隈の女剣劇や大宮デン助の『デン助劇場』、生歌謡ショーをやる映画館に全国から客が殺到しました。故・島倉千代子さんの大ヒット曲『東京だョおっ母さん』のフレーズにもあるように毎日がお祭り状態で、仲見世の商店街は歩くのにもひと苦労でした」(浅草出身のマスコミ関係者)

 ところが、40年代に入るや客足が遠のき、夜8時にはゴーストタウン化することもあった。
 「浅草は、当時の国鉄が駅を作るのに反対したために、交通の便は地下鉄の銀座線と東武線しかなく、JRの駅がなかったために客が激減したんです。しかし、つくばエクスプレスの開通や、東京スカイツリーの開業でようやく昔の活気を取り戻したんです」(同)

 商店街には人形焼や煎餅屋、お茶、雑貨小物に玩具屋など、いかにも浅草らしい店が軒を並べている。所有者は商店街が浅草寺、建物が東京都ということもあり家賃は安い。平均的な賃貸料は、2坪程度で約15000円と破格だ。
 「そのため、どの店も賃貸権は手放さなかったのですが、商店街でも高齢化が進み権利を手放す店主が出てきた。ある商店がその賃貸権を1億円以上で購入したという噂も流れたほどです」(商店街関係者)

 そこに目を付けたのが、悪徳不動産ブローカーだという。
 「『賃貸権あります』と言って、売りに歩いているんです。仲見世の商店街の賃貸権については、東京都の決まりで“(都の認可なく)転貸し、またこの建物賃貸権を譲渡しないこと”とある。それに、商店街組合の認可も必要ですからね。ブローカーが賃貸権を所有することはまずあり得ない。2年前、上野アメ横の商店街で店舗の“又貸し”が問題になりましたが、浅草の仲見世の場合は完全な詐欺。引っ掛からない人が出ないように、警察も捜査に乗り出していますよ」(地元の商店主)

 雷門の「風神」「雷神」よ、日本で最も古い浅草の仲見世商店街を守ってくれ。

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