「母は殺したくない」祖父母を刺殺した26歳・孫の“狂気の中の真(まこと)”

 血のついた包丁と金属バットを両手に持った男の顔は青白く、表情が全くなかった。兵庫・有馬温泉近くの山あいの集落で凄惨な5人殺傷事件が発生したのは、3連休最中の7月16日早朝。兵庫県神戸市北区の民家などで3人を殺害、2人に重症を負わせた犯人が、殺害された老夫婦の孫という信じ難いものだった。

 16日、兵庫県警に銃刀法違反容疑で逮捕されたのは、自宅で死亡した状態で発見された南部達夫さん(83)と観雪さん(83)夫婦の孫、竹島叶実容疑者(26=17日に殺人容疑で再逮捕)。竹島容疑者は、同事件で重傷を負わされた母親の竹島知子さん(52)と南部さん夫婦とともに4人で暮らしていた。
 「達夫さんと見られる男性から警察に通報が入ったのは6時19分で、捜査員が駆け付けた15分後には、すでに夫婦、そして近所に住む辻やゑ子さん(79)も自宅駐車場で息絶えていた。その後、路上で全身打撲の状態の知子さんと、近隣住民の前北操さん(65)を発見。さらに、現場近くの神社で、血が付着した刃渡り約16センチの包丁と金属バットを持った竹島容疑者を見つけ、現行犯逮捕となったのです。竹島容疑者は慌てるでもなく、落ち着いた様子でした」(捜査関係者)
 竹島容疑者は逮捕後、「誰でもいいから攻撃しよう、刺してやろうと自宅の包丁を持って行った」などと供述していたという。ただ、母親だけには包丁は使わずバットで殴打しただけで軽症だった。狂気の中でも母には刃を向けられなかった真(まこと)があったのだろうか。同居していた家族は折り合いが悪かったという。

 何が竹島容疑者を殺人鬼に走らせたのか。
 「(竹島容疑者が)南部さんの家に住むようになったのは、まだ小学生の頃。お母さんに連れられて来たんです。高校卒業後、電子系の専門学校を出て一度は就職したようですが、職場と折り合いが合わずに辞め、いまは何もしていなかった。最近は時々フラッとどこかへ出掛けるところは見ましたが“引きこもりになってしまったんじゃないか”と噂してたんです」(近隣住民)

 そんな竹島容疑者とは対照的に、南部さん夫妻は集落内で慕われた存在だった。
 「一緒に買い物に出掛けたりと、仲がいいという印象。夫婦とも誰からも好かれるタイプ」(別の近隣住民)

 一方で、夫婦と竹島容疑者との関係については、こんな話がある。
 「元消防署員で署長まで務めたことのある達夫さんは、かなりの資産家とも言われている。孫がそれを知ってか、“財産を相続したい”などとわけの分からないことを言い出し、周囲に相手にされなかったという話を聞いたことがあります」(同)

 逮捕された竹島容疑者は銀色のワゴン車の後部座席中央に座り、無表情のまま前をみつめていた。精神疾患が疑われているが、通院歴などは明らかになっていない。

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