お家騒動から2年で過去最大赤字 『大塚家具』久美子社長の絶体絶命

 ド派手なお家騒動で一躍知名度が高まった大塚家具。あれから2年が経ち、今度は経営で絶体絶命のピンチを迎え、株主などから懸念の声が上がっている。
 「ここにきて大塚家具は、一気に経営が悪化している。8月4日に出した'17年6月中間決算発表で、売上高は前年同期比11.3%減の214億円で、最終損失は46億円に膨れ上がることが判明。これにより'17年12月期の業績予想を下方修正し、売上高は当初の530億円から8%減の428億円、営業利益は5億円の黒字から43億円の赤字、最終損失が63億円と、過去最悪になる見込みとした。株主の間では動揺が広がっています」(企業ライター)

 大塚家具は、創業者の大塚勝久氏のもと、会員制の徹底した接客を売りに一代で急成長。しかし、バブル直後の'03年に出した730億円の売上高以降、業績が頭打ちとなった。
 「'08年に初の赤字に転落したため、翌年に娘の久美子氏が社長に就任した。ところが、久美子氏は父親が築いた会員制から、同じ家具店のニトリやイケアを意識した路線へと大きく路線変更したことで、勝久氏との争いの火種となった。結果、株式争奪、いわゆるプロキシー・ファイトとなり、久美子氏が勝利したのです」(同)

 この騒動のイメージダウンによる顧客離れもあり、一時的に売上は落ち込んだが、メディアの注目を浴びた“久美子効果”により来店客が増加。'15年は増収増益で再び黒字化となる。
 「しかし、一段落すると大塚家具の真価が問われ始めた。'16年は売り上げを120億も減らし463億。そして最終損益は43億という巨額の赤字に転落したのです」(経営アナリスト)

 '17年も、この流れを好転させる画期的なきっかけを得られないまま。それでも大塚家具が今日まで何とかやってこられたのは、好調時に蓄えた豊富な現金と有価証券があったからだ。
 「現金は'14年末には115億円、有価証券も簿価で118億円もあったのです。しかし、それが今では現金が22億円、有価証券も30億円にまで減少している。つまり'18年は、借り入れさえ必要となってくるということ。現状のように売り上げ増につながる“玉手箱”がない経営内容では、金融機関も貸し出しには二の足を踏むでしょう」(同)

 大塚家具としても、競合店を意識してニトリの近くに店舗展開するなど、それなりに努力はしているが、ジリ貧からは脱却できない。
 その背景を、経営コンサルタントがこう指摘する。
 「ニトリは'17年2月期連結決算で、売上高が対前年度比12%増、営業利益が同17%増、親会社株主に帰属する当期純利益が同28%増で、30期連続増収増益を達成している。つまり、“いいものを安く”で長年にわたり営業努力をしてきた。イケアも同様です。しかし大塚家具の場合、もともとが高級家具を販売し、その志向が強い客を選んできた。また、ニトリやイケアと同じ土俵とはいえ、やはり両者より価格は高く、どっちつかずで客が遠のく傾向にあるのです」

 だが、この苦境にただ指を咥えているわけにはいかない。起死回生のため、今夏には新たに仮想現実(VR)で買い物ができるサービスを本格導入するなど、現状打破に躍起だ。
 「VRを使用したバーチャルショールームは、スマートフォンやタブレット、PC画面で、店内での買い物を疑似体験できるウェブコンテンツ。新宿ショールームの建物内部を1階から7階まで高解像度のパノラマ画像で再現したもので、店内をバーチャルで体感できる。実際に店舗へ行かずとも、手に取るように家具の詳細や実寸が分かるというものです」(IT企業関係者)

 さらに、商品が欲しいと思えばオンラインショップの商品ページで購入もできる。これがどこまで効果を発揮するかは不透明だが、若者を意識した新たな挑戦だ。また、地方の中小店舗の展開も活発で、9月2日スタートで、宮崎県宮崎市の百貨店内に同県初の出店をする。
 ただし、こんな声があるのも事実。
 「大塚家具は、今の雰囲気で爆発的に売り上げを伸ばすのはなかなか難しい。そもそも骨肉の争いの後、一時、急激に売り上げを伸ばしたのは“美人”がウリの久美子氏のお詫び販売だった。こうなったら、高田明前社長のカリスマ性で伸びた『ジャパネットたかた』ではないが、もっと久美子氏を当時のように前面に押し出して世間にアピールするしかないのではないか。少々値は張っても“女性の視点”を重視した売り場作りをすることも、それに当てはまるでしょう。そうしてニトリなどとの違いを見せる。起死回生できるチャンスは大いにあります」(前出・経営コンサルタント)

 お嬢さま社長の崖っぷちからの開き直りはあるのか。

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