座間9遺体事件 現代社会が生み出した殺人鬼「平成の大久保清」(2)

 高校を卒業後は、'09年4月から'11年7月まで、学生時代にアルバイトをしていた近所のスーパーに正社員として勤務していた。その後、実家を出て東池袋のマンションで一人暮らしを始め、食品倉庫の仕分けや携帯電話の販売員など、職を転々と変えている。一方で'13年、実家では父母が別居状態に決着をつけ、正式に離婚。白石容疑者が突如、夜の街で働き出したのは、昨年の春からだった。
 「西新宿にあった風俗系の職業紹介会社Eでアルバイトとして入り、はじめは月給約20万円で事務と電話交渉などをしていました。しかし、この手の業種がかなり儲かると知った彼は、自ら歌舞伎町に出てスカウトマンをするようになったのです。同時に彼は、SNSを使って女の子に声をかけていたのですが、お水系の職場で誘っていながら本番有りの裏風俗へ飛ばすなど、その荒っぽさは有名でした。ただ、スカウトとなると収入が多いときもあれば極端に少ない時もある。その不安定さも嘆いていましたよ」(当時を知るスカウト関係者)

 その穴埋めのためか、白石容疑者は様々な副業に手を出し始めたという。意外なのは、中年男性の添い寝の相手をするアルバイトだ。
 当時、白石容疑者と同棲していたという20代の女性は、こう話している。
 「もともと彼は怖いほど優しくて、セックスのほうもノーマルではあったけど、とにかく丁寧。20代前半の頃に顎を削る整形を受けたとは言っていましたが、様子が変わり始めたのは添い寝のバイトを始めた頃。スカウトの方でも、個人的にかなりしつこく女の子につきまとって、紹介した店にまで会いに行ったりしていたんです。部屋にはいつも、スカウトした風俗嬢にプレゼントをするんだと言って、派手なブラジャーやパンティーを何十枚も置いていました」

 白石容疑者は、今年に入ってから1月と2月に逮捕されている。茨城県神栖市のデリヘル店に女性を紹介し、紹介料として約318万円をEの社長とともに受け取った職業安定法違反容疑と、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)容疑だ。これを受け6月、水戸地検土浦支部は、白石被告に懲役1年2月執行猶予3年の有罪判決を下している。
 「この裁判が始まる前、父親は保釈金を積み白石容疑者を自宅へ引き取っている。その時から特に白石容疑者の精神状態が崩れたようで、『死にたい』『何のために生きるのか』などと口走るようになったという。ただ、8月になって一人暮らしをしたいと言い始め、同月21日の契約で件のアパートに入居。あの大久保清同様、そこからわずか2カ月の間に9人を殺害したようなのです」(前出・社会部記者)

 現在、警視庁高尾署に置かれた捜査本部では、遺体の身元鑑定を急いでおり、被害者のものと思われる所持品も多数押収している。
 「白石容疑者の供述通り、部屋からは被害者を昏睡させるために使ったという酒類や精神安定剤、睡眠薬などが見つかっている。またロフトにロープが掛けられていたことから、意識を失わせた後に吊るして絶命させたと思われ、その後、血液反応が出ている風呂場で遺体を解体した可能性が高い」(前出・捜査関係者)

 また、部屋からは庖丁2本、キッチン鋏、のこぎり、錐、千枚通し、ロープ、結束バンドなどが発見され、いずれも血痕が付着していたという。
 「9人中、1人の男性は女性を迎えに行った際に殺害されたと見られ、ほか8人はすべて女性で、いずれも10代から20代。八王子の女性、さらに埼玉県、福島県、群馬県の女子高生が身元として浮上しています。彼女たちに手をかけた理由を、白石容疑者は金銭が目的だったと供述する一方、一部の女性について“性的乱暴を加え殺した”とも話しており、そもそも自殺の相談などするつもりもなかった面も供述から窺える」(前出・社会部記者)

 供述の二転三転によって捜査をかく乱した大久保清に対し、捜査員も驚くほど素直に応答している白石容疑者。狂気に隠された心理やいかに。

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