暗躍する“地面師”グループに包囲網! アパホテル12億6000万円詐欺事件で9人逮捕

 とにかく動く金額がハンパではない。警視庁は11月8日、大手ホテルチェーンのアパグループの関連会社『アパ』との土地取引を巡り、会社役員の宮田康徳容疑者(55)、司法書士の亀野裕之容疑者(53)ら男女9人を、偽造有印公文書行使などの疑いで逮捕した。いわゆる、“地面師”と呼ばれる面々だ。
 「宮田容疑者は、2月にも別の詐欺事件で逮捕されていたのですが、なかなか口を割らなかった。しかし、今回“成りすまし犯”を演じた老人の身柄を確保したことで、関係者が芋づる式に逮捕されたのです」(捜査関係者)

 アパホテルの被害総額は、12億6000万円。事件は、東京都港区赤坂2丁目の約120坪の駐車場が放置されていたことに目を付けた宮田容疑者が、'13年6月頃に千代田区の不動産業者K社に持ち掛けたことから始まった。
 「所有者はすでに死亡していたが、宮田容疑者は“この土地は兄弟(当時87歳と84歳)が所有していて、売却の意向があり、すでに私が手付を打っているので買わないか”とK社に勧めた。結果、K社はこの土地をアパホテルに仲介し、ホテル側も飛びついたのです。8月6日には契約締結と同時に決済されることになり、メガバンクの赤坂見附支店に宮田容疑者、成りすまし犯の兄弟、不動産業者、弁護士や司法書士らが一堂に会して売買が成立し、登記申請が行われたのです」(同)

 ところが、売買から6日後、法務局から“書類は偽造”との判断が出て、関係者は地面師グループに騙されたことが判明した。
 「しかし、すでに成りすまし犯の所在は不明。宮田容疑者も海外へ脱出し、売買の現場に立ち会った業者や弁護士は“私も騙された”と主張。迷宮入りになると見られていたのです」(経済ジャーナリスト)

 ところが、2月に同様の手口で横浜市の不動産業者から7000万円を騙し取った疑いで宮田容疑者が逮捕され、急展開を見せた。
 「宮田容疑者が関与した詐欺事件は、少なくとも4件。被害総額は25億円に及ぶだけに、何としてでも立件したい捜査2課が“成りすまし犯”を演じた老人の身柄拘束にまでこぎつけた。しかし、最終目標は積水ハウスの件。さらに昨年に発生した、地面師が絡むと見られる東京港区新橋の女性資産家失踪事件の主犯逮捕。地面師グループの人間関係はどこかでつながっているため、これら未解決事件の解明の突破口になるかもしれません」(捜査関係者)

 63億円を騙し取られたとされる大手住宅メーカーの『積水ハウス』の件(今年8月)については、仲間割れですでに主犯格を特定したとの情報もある。暗躍する“地面師”グループに捜査の包囲網が絞られてきた。

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