中国が北朝鮮を軍事攻撃も トランプ大統領が訪韓で韓国の文在寅政権に不信感?

記事まとめ

  • トランプ政権は韓国の文在寅政権の『反日・反米・従北・親中』に不信感を強めたという
  • 北への地上作戦は韓国軍が遂行する想定だったが、中国人民解放軍が担当する可能性も
  • 中国人民解放軍が北朝鮮に入ってくる大混乱のなか、クーデターを起こす可能性もある

北朝鮮 金正恩斬首決行! トランプ大統領「友達」つぶやきは最後通牒

 中国の習近平国家主席は11月17日、外交部門トップの宋濤・中央対外連絡部長を特使として北朝鮮に派遣した。宋部長は金正恩労働党委員長の側近・崔竜海党副委員長と会談したが、もし正恩委員長が宋部長との会談や習主席からの何らかのメッセージを蹴るようなことがあれば“干ぼし”になるのは確実だ。
 宋部長の訪朝の目的は先に開かれた第19回中国共産党大会の結果説明とされているが、中朝関係が悪化している折だけに額面通りに受け取る周辺国はない。狙いは正恩委員長に、中国がいわゆる「双中断」を放棄したことを伝えるためではないかといわれている。

 実はアジア歴訪の旅を終えた11月15日、トランプ大統領はホワイトハウスで会見し「『双中断』(米国流では「凍結対凍結」)は受け入れないことで習主席と合意した。そうしたやり方はこれまでずっと失敗してきた」と述べている。
 「『凍結対凍結』とは、北朝鮮が核や弾道ミサイル実験を中断すれば米韓も軍事演習を中断し、それを合図に米朝が対話を始める構想のことです。トランプ大統領は6カ国協議など、北朝鮮との対話は核開発の時間稼ぎに利用されただけだったとの従来からの主張を繰り返し、北朝鮮が核の完全廃棄を受け入れたときにのみ対話に応じると一貫して主張していますが、中国も、米国の『軍事的な解決も辞さない』という強い姿勢に押され、『双中断』の放棄を暗黙した可能性が高いのです」(国際ジャーナリスト)

 中国の姿勢転換で、北朝鮮問題が解決する選択肢は軍事行動による核の除去か正恩体制の崩壊かの二つに一つしかなくなった。さらにトランプ大統領は、北朝鮮の人権侵害、国際的な無法の数々を糾弾した上、正恩政権を「狂信的なカルト集団」と決めつけている。
 「先の訪日途上、トランプ大統領は専用機中での同行記者団との懇談中に『まもなく決定するだろう』と述べ、近くテロ支援国家再指定の是非に関する結論を出す考えを明らかにしています。恐らく習主席の特使が帰国してからの結果待ちでしょう」(同)

 そんな中、北朝鮮にとって“蟻の一穴”になりかねない事件が起きた。11月13日、20代の北朝鮮人民軍下士官が南北軍事境界線上の共同警備区で、北側施設の「板門閣」から韓国側「自由の家」に亡命したのだ。
 「軍事境界線に配属されている兵士は身分もよく忠誠心も確かですが、それでも亡命を試みたということは、北朝鮮軍は現在の米軍の攻撃態勢に怯えており、士気が低下している証しでしょう。さらに兵士の体内には回虫の一種『ヒトカイチュウ』が群生しており、トウモロコシしか見つからなかったことから、軍にさえ食糧配給が滞っていることが明らかになりました」(北朝鮮ウオッチャー)

 亡命兵士の体内で見つかった回虫の存在から恐愕の事実が浮かび上がる。北朝鮮は極度に化学肥料が不足しており“人糞”を転用せざるを得ないところまで追い込まれ、その結果、食糧事情は最悪で、最前線の兵士でさえ腹ペコということだ。この状態で中国からの石油が全面禁輸されれば、干からびるのは必至だ。
 「下士官の意識が戻った場合、ひょっとすると非武装地帯における北朝鮮の軍事力が、ハリボテであることが判明するかもしれません。240ミリ多連装ロケットや170ミリ自走砲などの長射程火砲の存在がソウルを火の海にするといわれ、これが米軍の先制攻撃をためらわせてきました。米国防総省は、この兵力を6時間以内に全壊させる可能性が75〜80%あれば実行に移すとしており、想定以上に簡単に殲滅できるかもしれません」(軍事アナリスト)

 トランプ大統領は歴訪中のベトナムの首都ハノイで、自身のツイッターに以下のように連続投稿した。
 「私は彼(正恩氏)の友達になるように頑張ってみよう」「いつかそれは実現するかもしれない!」
 軍事的圧力がかけられている朝鮮半島の緊張状態と、トランプ大統領が投稿したツイッターの内容は矛盾している。これまで正恩委員長を「リトル・ロケットマン」と嘲笑し、強く非難してきたにもかかわらず、突然、友人関係を求めたのは意味深だ。

 日米情報当局関係者はツイートの背景として以下の三つを挙げている。(1)米朝の水面下接触が進んでいる。(2)軍事行動を前に『外交努力をしたが、北朝鮮が蹴った』という先制攻撃の口実づくり。(3)正恩委員長に亡命を促すメッセージ…。
 「ツイートには前々段があります。米国と中国は8月に『事実上の往復書簡』で“暗黙の了解”を交わしています。往復書簡とは、人民日報系の『環球時報』の社説と、米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』に載ったティラーソン国務長官とマティス国防長官の連名寄稿を指しており、その内容は、(1)米中は北朝鮮という国家を(緩衝地帯として)残す。(2)正恩委員長を排除し、核・ミサイルを放棄させる。(3)米中戦争は避ける、という三つの了解事項です。さらにトランプ大統領が訪中した折、往復書簡の内容を習主席と再確認したのではないでしょうか。これがツイッターの前段になっています」(中国ウオッチャー)

 突き詰めれば、中国が北朝鮮を軍事攻撃する可能性があるということだ。
 「これまで地上作戦は韓国軍が遂行する想定でしたが、トランプ大統領の訪韓で、トランプ政権は韓国の文在寅政権の『反日・反米・従北・親中』姿勢を見て不信感を決定的にしてしまいましたから、代わりに中国人民解放軍が担当する可能性が出てきたのです。米軍は中国軍の地上での掃討作戦に先駆けてF22ステルス戦闘機やB1B戦略爆撃機などで、すでに場所が分かっている北朝鮮の核関連施設や大陸間弾道ミサイル発射台を空襲する。その後、特殊部隊がパラシュートで降下し、核兵器の保管場所を特定して無力化する作戦もアリです。地上戦で犠牲者を出すリスクを避けたい米国にとっても、中国の参戦は渡りに船でしょう。中国人民解放軍が北朝鮮に入ってくるような大混乱となれば、正恩委員長は国内を統制できなくなり、その機に乗じて中国共産党の息のかかった勢力がクーデターを起こす可能性もある。北朝鮮が崩壊した場合、正恩委員長が頼るのはロシアのプーチン大統領しかいません。そして、すでにできている秘密ルートを使ってロシアに亡命する。これが『友達に』というつぶやきの真意でしょうね」(前出・軍事アナリスト)

 しかし、一方の中国には北朝鮮を地上から消すことについて、どうしても懸念がある。それは北朝鮮から中国に大量の難民が押し寄せることだ。
 「人民解放軍は難民対策をすでに講じています。ドローンを飛ばし国境線の監視を強化し、かつ中朝国境沿いに展開している15万の兵力を北朝鮮内に派遣、キャンプを作って食料や生活物資を供給することで越境させないようにする。また米国内には、中国が緩衝地帯を失うことを恐れて北朝鮮問題に真剣に取り組まないのであれば、在韓米軍の撤退とTHAAD(高高度ミサイル防衛システム)についても交渉材料にすればよいという意見が出始めています。中国からの特使は、こうした対応策を突き付けた上で、正恩委員長の訪中を促す習主席からの書簡を携えているはずです」(前出・国際ジャーナリスト)

 プライドの高い正恩委員長が暗殺というリスクを負ってまで、すんなりと訪中を飲むだろうか。まだ二幕、三幕がありそうだ。

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