職を失った人より“働くことを諦めた”人が30万人以上も多い日本社会の現実

職を失った人より“働くことを諦めた”人が30万人以上も多い日本社会の現実

(提供:週刊実話)

「ミッシングワーカー」とは、米国発の労働経済学の言葉で、働かなくてはと思いながら、求職活動を諦めているため失業者としてカウントされない人たちのことだ。

 その多くは、親の介護のため離職し、そのまま社会との接点を失ってしまっている人々で、多くが社会的に孤立していると、NHKが特集まで組み問題提起している。

 その数を働き盛りの40歳代と50歳代で見ると、正規労働者:1600万人、非正規労働者:795万人、失業者:72万人、ミッシングワーカー:103万人となり、失業者より多いという驚愕の実態が浮かび上がる。その多くは独身の男性だ。

 独身のため親の介護を引き受けることになり、仕事が続けらなくなったケースもあるが、もともと失業などにより仕事を失い、親と同居しているうちに親の介護が始まり、そのまま求職を諦めてしまったケースもある。背景には居住する家があり、親の年金があるので何とか生活していけるという“経済的余裕”も垣間見える。

 NHKはここまで突っ込まなかったが 親の年金頼みである以上、親を年金で入れる施設に入れると自身の生活が破綻するという“カネづる”としての親の介護という事情もある。

 「今後は社会の労働を担う15歳〜64歳の人口が急速に減少します。すでに労働力不足は深刻で、外国人労働者の導入論議や定年延長で高齢者にも働いてもらうこと、女性も子育てと両立して働き続けられるように制度化するなど政策論議は盛んですが、一方で、労働を担う中核世代である40代、50代にこれだけ働けていない人がいるということは、社会全体の大損失ですから何とか方策を考えなければなりません」(社会問題アナリスト)

 働いていない期間が長くなればなるほど、社会復帰のハードルは高くなる。親が亡くなった後も親が残した貯金があるうちは何とか生活できてしまうので、外からは見えにくいが、その孤独は計り知れない。親子で暮らし、独身の子供が就職しないで親の介護をしているという家庭は決して珍しくないが、孤立していないか、周りが気配りしていくことが必要だ。

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