埼玉・本庄市 有料記者会見で知られる「本庄保険金殺人事件」の舞台

国道17号を北上していく。すると、1999年「桶川ストーカー事件」の所轄となった上尾警察署を過ぎた後、2015年に「熊谷ペルー人無差別殺傷事件」の傷痕がいまだ生々しい熊谷を抜ける。桶川ストーカー殺人では、女子大生が元恋人にストーカー行為をされ、警察に駆け込んだが署員の怠慢もあって何もしてもらえず、桶川駅前の路上で無惨にも刺殺されてしまった。熊谷市内の住宅街では、まだ記憶に新しい無差別殺人事件が起きている。ペルー人のナカダ・ルデナ容疑者が、児童を含む6人を殺害したのだ。ちなみに、彼の兄もペルー国内で17人を殺害する事件を起こしていて、懲役35年の実刑判決を受けている。

 そこからさらに北上すると、埼玉県本庄市に入る。この街は、2000年に「本庄保険金殺人事件」の舞台となっている。

 犯人の名前は八木茂。3人の男たちを自分の息のかかった愛人と偽装結婚させ、多額の保険金を掛けた上で次々と殺害した。逮捕前、八木は連日、経営していたスナックでマスコミ相手に有料記者会見を開いたことでも知られており、顔を覚えている人も多いのではないだろうか。

 八木が経営していたスナックは、今も建物が残されている。国道17号線から車で5分もかからない場所にあり、スナック跡の建物の隣には、保険金を掛けていた男たちを住まわせていた平屋の建物も健在だった。「八木はトラックの運転手で金を作って、80年代の後半ぐらいに、ここに来てからスナックを開いたんだよ。当時は、カラオケができるスナックなんてなかったから、夜7時の開店前にはもう客が並んでいたよ」

 スナックからほど近い場所に暮らす、幼馴染みだという男性が言う。「子どもの頃の八木は、ひょろっとしていじめられっ子だったけど、大人になってから彫り物をいれたりして、威勢がよくなってたね。スナックの酔っぱらいが、よくうちの家の壁に小便を引っかけたりしたもんだから、盆暮れにはちゃんと菓子などを持ってきたりして、義理は通す男だったよ。まさか保険金をかけて、人を殺しているようには見えなかったな。スナックも儲かっていたし、金には困っているようには見えなかったけど、金の亡者になっちゃったんだな」

 八木は愛人の女たちを巻き込み、次々と保険金をかけた男たちを奈落の底へと落としていった。すさまじい金への執着である。

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