『中国が国連を支配する日』がすぐそこまでやってきている

『中国が国連を支配する日』がすぐそこまでやってきている

(提供:週刊実話)

このままでは国連が中国に乗っ取られる。端的な例を示すと、あのファーウェイ(華為技術)だ。米英豪加NZの「ファイブ・アイズ」や日本などは同社製品を政府調達から排除する意向だが、ジュネーブに本部を置く国際電気通信連合(ITU)のトップ趙厚麟事務総局長は、ファーウェイや「中興通訊」(ZTE)を優先的に使用する方針を示している。

 欧米政府が政府の調達からファーウェイを駆逐したところで、中国側は国連や国際機関に採用していくわけで、そうなれば国連機関のすべてのデータへのアクセスが可能となる。

「中国出身で国連・国際機関のトップに現在就任しているのは、趙事務総局長以外に、ウィーンに本部を置く国連工業開発機関(UNIDO)の李勇事務局長(元中国財務次官)もおり、氏は『一帯一路』の推進のためUNIDOの経済支援プロジェクトを利用してきました。この2人は国際機関のトップというより、中国共産党政権の野望を実現するために“戦場”に派遣された中国人民軍司令官といった感じの人物です。また一方、ジュネーブに本部を置く国連人権理事会では、中国の人権問題を問題にすると途端に『人権は主権国家の問題』として中国は批判を一蹴するなど、ワガモノ顔に振る舞っています」(国連の内部事情に詳しいジャーナリスト)

 他にも世界貿易機関(WTO)では2013年、中国商務省次官の易小準氏が市場アクセス部、サービス貿易部、知的所有権部、経済調査・統計部担当の事務局次長に就いており、以来WTOでの中国の影響力を拡大させている。

 中国はWTO加盟後、国際通貨基金(IMF)や世界銀行での影響力拡大にも乗り出している。11年にはIMFのラガルド専務理事が朱民氏(中国人民銀行副総裁)を抜擢し、15年に同氏は筆頭副専務理事に選出されており、同年IMFのSDR(特別引出権)に中国人民元を採用することに成功した。

 こうした権力掌握の背景にあるのが、赤いカネだ。
「国連での中国の19〜21年通常予算の分担率は7.921%から12.005%に上昇し、日本を抜いて米国に次いで第2位に躍り出ています。米国はトップで変わらず上限の22%、日本は9.680%から8.564%に分担率が低下しました。中国は資金面だけではなく、国連の経済開発機関である国連開発計画(UNDP)、国連経済社会局(UNDESA)などを積極的に活用する一方、人材面でも中国共産党出身の幹部を国連・国際機関に積極的に送っています」(同・ジャーナリスト)

 中国の習近平国家主席は国連を自国の国益拡大のパワーツールとみなし、国連平和軍活動にも積極的に関与してきた。中国はアジア・アフリカ・ラテンアメリカの開発途上国「G77グループ」の最大の支援国(G77+中国)であるため、国連加盟国のほぼ70%に当たる134カ国を掌握していることになる。

 中国はまた、国連安保理事会では常任理事国の一角を担っている。すなわち、中国は国連で安保理事会と総会に大きな影響力を有しているわけだ。

 一方、国連や国際機関に積極的に人材と資金を送る中国と対照的なのはトランプ米政権だ。トランプ氏は国連機関を「米国民の税金を浪費するだけで成果のない機関」として批判。同時に国連の各種機関への資金援助を削減した。昨年6月、国連人権理事会からの離脱を表明する一方、それに先立って、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」からも離脱を通知するなど、国連機関が力を入れてきた分野で米国ファーストをいかんなく発揮している。

 また、国連教育科学文化機関(ユネスコ)からも脱退、国連人権理事会からも離脱を宣言した。米国の国連離れ、つまり引いた途端に、中国が国連を積極的に利用しだしたことは、軍事侵出と全く同じ構図である。

 トランプ氏が国連軽視、国連離れを続けていけばいくほど、中国は国連を支配下に収め、世界制覇の野望実現に動き出せるわけだ。

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