稲川会本葬気に友好全21団体が参列

稲川会本葬気に友好全21団体が参列

(提供:週刊実話)

祭壇には笑顔を向ける秋田昇懲罰委員長(十四代目大草一家総長・享年71)の遺影が置かれ、供花で埋め尽くされていた。9月7日、稲川会(東京)の清田次郎総裁をはじめ内堀和也会長、最高幹部らが、神奈川県横浜市内にある「稲川会館」に集結し、去る7月15日に死去した秋田懲罰委員長を盛大に見送った。

 当日、最高幹部や大草一家・藤田幸男総長代行らが出迎える中、親戚団体である六代目山口組(司忍組長)や住吉会(関功会長=東京)、などの主要団体、関東のテキ屋組織を含め全21団体から、トップ、最高幹部らが大挙して弔問に訪れた。さらに、地元の神奈川県警をはじめ警視庁、3つの山口組を管轄する兵庫県警などの捜査員が駆け付け、敷地の外で鋭い視線を向ける様子からも、異例の事態であることがうかがえたのだ。

 実際、午前10時半すぎにトップバッターで訪れた六代目山口組は、稲川会館と同じ神奈川県内に本拠を構える山嵜昌之・三代目益田組組長と浜田重正・二代目浜尾組組長だけでなく、青山千尋舎弟頭(二代目伊豆組組長=福岡)を筆頭に執行部全員が参列。親戚団体とはいえ、最高幹部の葬儀に執行部全員が姿を現すのは、珍しいケースといえた。

 その後も怒濤の弔問が続き、すべてを終えたときには、午後12時半をすぎていたのだった。これほど大規模な葬儀が営まれた背景には、理由があるという。

「長年の功労者であるのは間違いないが、大草一家からはヒットマンが出ており、稲川会が抱えていた“問題”に関して、秋田総長は多大な貢献をした。それもあって、組織として手厚く弔ったのではないか」(業界ジャーナリスト)

「問題」とは、平成28年1月に破門処分を受けた稲川会元直参である戸上光雄・紘城一家総長と中村豪・六代目箱屋一家総長を巡るもので、特に箱屋一家が本拠を置く千葉県内では、稲川会との縄張り争いが勃発していたという。

「それを一気に打ち砕いたのが、松戸銃撃事件(一昨年5月)だった。中村総長の乗った車両に、大草一家の伊澤隆志若頭が計7発もの弾丸を撃ち込み、ボディーガードに重傷を負わせた。この事件は稲川会による“血の粛清”だったと見られ、結果として業界内に威信を示すことになった」(同)

 秋田総長自身も逮捕されたが、不起訴処分となり、裁判では伊澤若頭と大草一家元幹部が殺人未遂などの罪に問われたのである。

 今年6月7日に開かれた初公判には、秋田総長本人も傍聴に訪れた。入院先から駆け付けたためか、車椅子に乗って裁判所内に入ったが、傍聴席まではしっかりとした足取りで歩き、入廷した伊澤若頭を見守っていた。その際、目を合わせた2人が無言で頷き合う様子が印象的だった。

 また、子分を思いやるという秋田総長の背中を見つめ続けた伊澤若頭は、殺人未遂などの罪は認めながらも、元幹部との共謀は否認。自身は懲役20年の実刑判決を受けたにもかかわらず、元幹部の共謀が退けられ、「幇助」として懲役4年が下された際には、法廷で万感の思いを込めて元幹部の背中を叩く場面が見られた。

 この19日後、伊澤若頭の判決を見届けた秋田総長は息を引き取ったのである。

 ある稲川会幹部が言う。
「秋田総長は子分を思い、子分もまた親を思った。我々の世界は子分あっての組織だ。彼らの苦労を無駄にせず、今後も躍進を続けることが秋田総長の供養にもなるだろう」

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