六代目山口組 兵庫・愛知 連続銃撃事件“報復のシナリオ”

六代目山口組 兵庫・愛知 連続銃撃事件“報復のシナリオ”

(提供:週刊実話)

六代目山口組(司忍組長)ナンバー2・髙山清司若頭の出所が迫るにつれ、3つの山口組の間では抗争拡大の危険性が高まっている。

 「返しは必ず起きるで。カシラの復帰に泥を塗られたんやから、面子に関わる問題や。山口組の分裂後、三代目弘道会(竹内照明会長=愛知)は神戸山口組(井上邦雄組長)に対する射殺事件で“凄腕”のヒットマンを放ってきとるし、このまま黙っとるはずはない。すでに、“報復のシナリオ”は出来上がっとるかもしれん」(関西の組織関係者)

 8月21日に発生した弘道会“神戸拠点”での銃撃事件は、それほどまでに意味深いものがあった。銃弾が撃ち込まれた関連施設には、兵庫県神戸市内における髙山若頭の邸宅が隣接し、出所を間近に控え、迎える準備が進められている最中だった。また、竹内会長が神戸滞在の際に関連施設を利用しており、弘道会の重要拠点であることは業界内でも知られていたのだ。

 被弾した弘道会傘下二代目藤島組に所属する加賀谷保組員は、3発の銃弾を浴びて右腕を切断するという重傷を負いながらも、事件後約2週間で退院。弘道会・中野寿城若頭が付き添い、組織としての手厚い対応がうかがえた反面、初めて弘道会側に血が流れた事件であるという、ただならぬ雰囲気も感じさせた。

 さらに、9月9日未明には六代目山口組の直系組織で愛知県豊橋市にある十一代目平井一家(薄葉政嘉総裁)本部に発砲があった。ケガ人はなく、外壁と玄関ドアに被害を受けた程度ではあったが、神戸市での銃撃事件から連続して六代目側が被害を受けたため、より緊張が高まったのだ。

 「いずれの事件も、犯人特定には至っていません。当局が捜査の進展をなかなか発表しないのは、対立抗争事件の可能性が高いと見て慎重になっているからでしょう」(全国紙社会部記者)

 神戸銃撃事件では防犯カメラにバイクに乗ったヒットマンが映っており、現場に薬きょうが落ちていたことから自動式拳銃が使われたと判明。ヒットマンはバイクを乗り換え、五代目山健組(中田浩司組長=兵庫神戸)本部の至近距離で2台目のバイクを乗り捨てて、逃走したとみられている。

 平井一家への発砲事件でも、バイクに乗った人物が走り去る場面を、当番組員が防犯カメラ越しに目撃したという。薬きょうが残されていなかったため、回転式拳銃が使われたようだ。さらに、午前2時すぎという犯行時刻からは計画性もうかがえたのだ。

 「平井一家の本部は静かな住宅街の中にあり、深夜ならば目撃されるリスクも低いはずです。今のところ、神戸での事件と同一犯という線は出ていませんが、連続して事件が起きた背景には、対六代目山口組への強い敵意が感じられます」(同)

 業界内では神戸山口組による犯行との見方が強く、実際、六代目側の関係者は怒りを隠さなかった。
「髙山若頭が出てくるもんやから、タイミングを狙って神戸の関連施設に攻撃してきたんや。それで勢いが付いて、平井一家へも『やってまえ!』となったんやろ。あっちは今後も何かしら仕掛けてくるやろうけど、無防備な部屋住み撃ったり、壁撃ちしたり、どないなっとんねん」(関西の三次団体組長)

 関係者が撃たれた上、報復の前に再び発砲事件が起きたとあって、六代目山口組内部は異様な雰囲気に包まれているという。

 「9月5日に行われた総本部での定例会で、髙山若頭を迎えるために態勢を整えておこうという通達が執行部から出されており、六代目側が復帰をどれほど待ち望んでいるか分かるだろう。その矢先に相次いで事件が起きたのだから、報復に向けて怒りのボルテージは上がっているはずだ。分裂後に起きた事件の傾向を踏まえると、弘道会が動いた場合、水面下では複数箇所で準備を進め追撃も予想されるため、ヒットマンたちは神出鬼没だ」(山口組ウオッチャー)

★射殺現場に織田組長が

 しかし、六代目山口組は表面上、通常通りで、9月12日には九州ブロック長の青山千尋舎弟頭(二代目伊豆組組長=福岡)、生野靖道幹部(四代目石井一家総長=大分)、一ノ宮敏彰・一道会会長(福岡)が、髙山若頭が後見する親戚団体・三代目福博会(福岡)の長岡寅夫会長への誕生祝いに駆け付けたのだった。

 「山口組分裂に際して、長岡会長もいち早く六代目支持を表明したんや。分裂劇が5年目に突入した今でも、固い絆で結ばれとる。その証拠に、今回の訪問でも青山舎弟頭は祝宴に招待されたようで、滞在時間が長めやったで」(ベテラン記者)

 対する神戸山口組には指揮官の“不在問題”が浮上している。若頭代行を務め、山健組トップである中田組長が忽然と姿を消したのだ。

「9月2日に旭琉會(沖縄)が訪問したとき、さらに9日の神戸山口組定例会でも姿を見んかった」(地元記者)

 9月10日、山健組では定例会が行われ、席上、神戸山口組「幹部」であり山健組副組長を兼任する福原辰広・邦楽會会長(兵庫姫路)が、山健組を離れて神戸山口組に専念することが発表されたという。しかし、重要通達が出た当日も、中田組長の姿は確認されなかった。そのため、“不在”を巡って入院説まで飛び交い、不穏な噂は業界内外に広まったのである。

 「山健傘下の定例会に與則和若頭が出向いて、心配ない旨を伝えたそうや。せやけど、どこにおって何をしとるのか具体的には聞こえてこんのやから、不穏と言えば不穏やな…」(同)

 また、その直後には神戸側・三代目古川組(仲村石松組長=兵庫尼崎)から元相談役の平野権太・権太会会長の破門状が、各関係先に送られた。六代目側への移籍も噂されており、処分に関係しているとみられた。

 一方、任侠山口組(織田絆誠組長)では、山健組系組員による神戸射殺事件(一昨年9月12日)で命を落とした楠本勇浩組員の命日を迎えた。当日、事件現場に設けられた焼香台の周りには複数の花束が供えられ、小島大享若頭補佐(神戸絆会会長=兵庫神戸)らが訪れていた。楠本組員は愛煙家だったようで、小島若頭補佐らは煙草を取り出すと、その1本に火を点けて用意した灰皿に置き、線香を手向けた。

 するとその数分後、事件発生時刻となる午前10時すぎに、ガード車両を従えた黒塗りの高級ミニバンが焼香台の目の前に停止。エンジンを掛けたまま1分ほど止まり、走り去ったのだ。

 その車には織田組長が乗っていたと思われ、車内で手を合わせ、自身のために命を落とした楠本組員の冥福を祈ったと思われる。

 「現場には兵庫県警の捜査員もぎょうさんおったし、織田組長が姿を現せば気色ばんだはずや。静かに故人への祈りを捧げたいという気持ちから、車内で手を合わせたんと違うか」(同)

 髙山若頭の出所まで残すところ1カ月。それぞれに異なる動きを見せる3つの山口組だが、分裂問題は正念場を迎えている。

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