横浜抗争勃発「F1対カジノ誘致」仁義なき戦い

横浜抗争勃発「F1対カジノ誘致」仁義なき戦い

(提供:週刊実話)

横浜の観光名所、山下公園に隣接する横浜港の山下埠頭で、公道を使った横浜GP開催案が急浮上した。林文子市長の「カジノ招致」表明に、反対派は「ギャンブルよりF1」を掲げ、賛同者が続々。横浜はルノー・日産の本拠地、国際自動車連盟も全面支援――。

 横浜でのF1招致計画は、実は今回が初めてではない。鈴鹿サーキット(三重県)での日本GPは1987年から始まったが、当時、最後まで鈴鹿と招致を競ったのが横浜だった。歴史あるモナコGPのような公道レースを提唱したが、道路交通法などが障害となり、あと一歩で成就しなかった。

 しかし、今回は一般車両が入り込まない埠頭が会場である。提唱者は“ハマのドン”の名で知られる横浜港運協会会長の藤木幸夫氏。港湾、荷役、倉庫などを広く営み、山下埠頭など横浜港の244社を束ねている藤木氏は、これまでギャンブル依存症で苦しむ労働者を数多く見てきたことなどから、カジノ招致に断固反対。「横浜に必要なのはギャンブルではなく、F1と国際展示場。命を張ってでも反対する」と代案を掲げ、支援の輪を広げている。

 「“仁義なき戦い”の発端は、林文子横浜市長が8月22日に突如として山下埠頭にカジノを含む統合型リゾート(IR)を招致する方針を表明したこと。昨年の市長選で、国際会議場やイベントホールにあてるとし、カジノについては市民の意見を踏まえた上で決定すると公約し、再々選を果たしていた。ところがどっこい、市が行った意見募集で、94%が誘致に反対。各種世論調査でも7割近くが反対しているにもかかわらず、カジノ誘致に舵を切ったことで、市長室に抗議に出向くなど住民らが猛反発。火蓋は切って落とされた」(地元紙記者)

 これらの声を受けて林市長は「少子高齢化が進む横浜市が飛躍するにはIR型カジノは必要」と主張。税収や入場料収入などで年間820億円〜1200億円の増収が期待できると強調するが、ギャンブル依存症の増加や治安悪化を心配する市民の反対は根強い。

 「ならば」と反対派が持ち出した仰天プランが、冒頭の山下埠頭を使ってのF1横浜GP開催だ。カジノ反対派がF1の開催支援に回る構図となり、市長はお手上げ状態という。

 「F1招致を提唱する藤木氏は、港湾開発に欠かせない人物であるばかりか、横浜スタジアム会長や横浜エフエムの社長も務める横浜経済界の重鎮。反対派住民に加えてベイスターズファン、一般市民も味方に付けており、林市長が強行すればリコール運動に発展しかねない。万事休すといっていい」(同)

 林市長はホンダオート横浜などの販売員からキャリアをスタートさせ、BMW東京社長に上り詰めた人物。自動車業界には縁が深い。

 そんな敵の得意分野で切り返す手法は、さすが百戦錬磨の“ハマのドン”と言ったところ。裏社会の住人もシノギがかち合うカジノ招致に猛反発しており、幅広い層で「カジノよりF1」の声が急激に高まっているのだ。

 F1への準備も周到だ。埠頭の占有地に1周4キロのコースレイアウトも完成していて公表済み。横浜は日産(ルノー)の本社があり、国際自動車連盟(FIA)も全面協力する。市が許可を出せば、3年で開催できるという。

 「FIAは、常に世界中の候補地を探しており、’11年にはレッドブル・レーシングが、元町商店街で日本初となる公道F1デモ走行を実施しています。今回、藤木氏の意向に沿って再調査を行い、今年1月に山下埠頭を現場視察。その後、『ぜひやりたい』とFIA側がコース図面を作成してきたそうです。それを使う以上、コース設定に問題は生じません」(専門誌記者)

 FIAの試算では、同じ市街地コースのシンガポールGPで450億円の売り上げがあり、横浜なら1開催につき700億円が見込めるという。羽田空港から電車で20分、東京都心部からも1時間以内。F1以外にもコンサート会場に利用できる「ハーバーリゾート計画」で、周囲には中華街やみなとみらい、元町商店街などの観光地もあり、経済波及効果はカジノに勝るとも劣らない。

 追い風になっているのが、お隣の横須賀市出身で、横浜でも絶大な人気を誇る小泉進次郎衆議院議員の結婚と環境大臣就任だ。夫人の滝川クリステルさんはかつて、F1を手がけるフジテレビ『ニュースJAPAN』のキャスターを務めた女子アナ。小泉氏も「育休」などの子育て支援や環境保護を掲げている手前、カジノには賛同しづらい。

 「いま、F1はバブル期のようなスピード競争が目的ではなく、環境に優しいエンジンを中心とするパワーユニットや燃料を開発するラボ(研究室)になりました。小泉議員の横須賀の自宅と山下埠頭は車で20分の距離にあり、F1を通じて横浜からクリーンエネルギーを発進しようと力が入っているのです」(同)

 今季、F1に復帰して5年目のホンダは、M・フェルスタッペン(レッドブル)が2勝を含む表彰台5回を獲得。13年ぶりの優勝で、強い「ホンダ復活」の機運が盛り上がりつつあるところ。次にFIAが期待するのがルノーの復活で、その特効薬が鈴鹿の日本GPと山下埠頭の横浜GPの“2本GP”。とはいえ、モナコのような、F1とカジノ“共存”はやっぱり無理?

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