両山口組本部、関連施設約20カ所「使用制限」緊急発令で急展開

両山口組本部、関連施設約20カ所「使用制限」緊急発令で急展開

(提供:週刊実話)

10月11日夜、神戸市内にある六代目山口組総本部、弘道会の“神戸拠点”、神戸山口組本部、山健組本部など計11カ所に兵庫県警の捜査員が押し寄せ、赤く縁取られた黄色いシールを、すべての出入り口に張り付けた。組事務所に対して規制を掛けるもので、〈使用制限〉という赤い文字が、ひと際大きく記されていた。
〈この事務所を現に管理している指定暴力団員又は現に使用していた指定暴力団員は、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定により、この事務所について使用制限の命令を受けています〉

 兵庫県公安委員会の名が記されていたが、今回は事件発生から間髪いれず規制を掛けたのだ。
「本来ならば県公安委員会が暴対法に基づく使用制限の仮命令を出すのですが、今回は緊急性があるとして、兵庫県警の本部長権限で発令されました。規制の効力が15日間となっているので10月25日までですが、今後、組側の意見聴取を行い、本命令を出すかどうか検討されます。恐らく本命令も決定するでしょう。期限は3カ月で、警察当局の“さじ加減”で延長されていくことが予想されます。つまり、この分裂問題が終結するまで、使用制限は続くことになると思います」(全国紙社会部記者)

 六代目山口組の総本部が使用制限を受けるのは初めてであり、これほど広範囲にわたるとは予想されていなかった。山健組系組員らが射殺された事件を受け、警察当局が“伝家の宝刀”を抜いた格好だ。

 同13日には、実行犯を出した弘道会の本部にも、愛知県警の捜査員が詰め掛けたのである。

 当日は早朝から組員が出入りし、荷物を運び出すなど慌ただしい雰囲気に包まれ、中野寿城若頭や野内正博統括委員長、間宮誠治本部長、松山猛若頭補佐といった最高幹部らも姿を見せていた。午前10時半、県警捜査員や機動隊員ら約70人が集結。本部前で盾を手にした完全武装の機動隊が警戒に当たる中、捜査員が続々と本部内に入った。仮命令の説明などを行ったとみられ、再び捜査員が姿を現したのは、それから1時間後のことだった。

 本部正面の玄関ドアには〈期間、令和元年10月13日から令和元年10月27日〉と書かれた仮命令書が捜査員によって貼られたほか、1階駐車場や勝手口、さらには本部前の駐車場、近くにある組員の待機所(旧本部)や倉庫といった関連施設も使用制限の対象となった。その後、松山若頭補佐の稲葉地一家本部などにも、弘道会本部と同様に出入り可能な箇所すべてに仮命令書が貼られたのである。

 さらに同日には、岐阜県内にある野内統括委員長の野内組本部、野内組・北村隆治顧問の大阪府内にある関係先、山健組傘下で同じく大阪府内に本部を構える福富組などにも使用制限が掛けられたのだ。
「両山口組の本部、傘下組織など約20カ所に及び、ついに警察当局が分裂問題に介入したと言われています。髙山若頭の出所によって、さらなる事件が起きかねないと踏んだのか、本部を人質に取り、暗に抗争を起こすなという姿勢を示したのでしょう。10月22日には天皇陛下の即位礼正殿の儀が東京都内で執り行われますから、国家的行事を前に、圧力を掛けたのは言うまでもありません」(同)

★中田組長が犠牲者を見送る

 定例会などの開催が各本部では不可能となり、表面上は組織運営に支障が出るかに見えた。総本部や弘道会本部では、出所した髙山若頭を迎える準備が着々と進められていたのだが、それもすべて白紙状態になったからだ。

 しかし、この使用制限が両山口組を抗争終結へ向かわせるとは限らない、という声も上がっている。
「確かに行動に制限は掛かったが、事を起こす準備は水面下で進められてきたはずだ。使用制限は“警告”でしかなく、もともと双方とも想定の範囲内だった可能性がある。だからこそ、弘道会は山健組本部の近くで事件を引き起こしたのではないか。むしろ、あの髙山若頭が現場復帰することで、分裂問題は新たなステージに突入するとも囁かれている」(他団体幹部)

 12日、山健組本部近くの寺では亡くなった佐藤組員を見送るため、直参らが集まっていた。そして翌13日、これまで“所在不明”とされていた山健組のトップ・中田組長が、ついに姿を現したのである。
「中川組員は遺体の引き渡しまでに時間がかかるとなって、先に佐藤組員のため直系組長たちが集まったんや。中田組長は空白の1カ月半が嘘のように、今までと変わらん姿で現れて、佐藤組員に別れを告げたと聞くで。定例会にも出席せず、自身が率いる山健組にも顔を出さなかった理由について、いろんな憶測が飛び交ったが、すべて噂にすぎなかったことが証明されたわけや」(関西の組織関係者)

 また、静観の姿勢を示している任侠山口組(織田絆誠組長)では、長野県飯田市で起きた一連の“対立事件”を巡り、新たな逮捕者が出ていた。飯田市で起きた乱闘事件(7月21日)に関して、10月9日、暴力行為等処罰法違反の容疑で四代目竹内組・宮下聡組長をはじめ、計8人が長野県警によって逮捕されたのだ。

 うち2人は、野内組傘下三代目近藤組組長への拉致暴行事件(8月20日)に関して逮捕監禁致傷容疑で逮捕、起訴されており、再逮捕となった。さらに翌10日には、両事件で指名手配されていた男1名も逮捕されたのである。
「任侠山口組では、埼玉県で直参の弟が何者かに撃たれる事件もあった。捜査の進展次第では任侠側が行動に移すことも考えられたが、六代目側と神戸側に警察当局が圧力を掛けた今、任侠側に吹く風も変わってきている」(関東の組織関係者)

 4年間に及ぶ対立によって、複数の関係者が命を落とし、新たに山健組から2名の犠牲者が出た。報復の動機を秘めた神戸山口組が、敵と定める髙山若頭といよいよ“対峙”する――。

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