神戸山口組 “地下潜伏”始まる― 山健組新たな報復戦

神戸山口組 “地下潜伏”始まる― 山健組新たな報復戦

(提供:週刊実話)

髙山若頭が活発な動きをみせる一方で、神戸山口組(井上邦雄組長)には目立った動きが確認されていない。10月10日に五代目山健組(中田浩司組長=兵庫神戸)の本部近くで、弘道会傘下の十代目稲葉地一家・丸山俊夫幹部が組員2名を射殺した事件によって、両山口組本部や被害を受けた側である山健組の本部にも、使用制限の仮命令が出された。山健組側は関連施設も含めて閉鎖を余儀なくされ、今後、定例会をどこで開催するのかも聞こえてこないのが現状だ。

 兵庫県公安委員会は県警本部で17日と20日、六代目山口組と神戸山口組に対する意見聴取会の席を設けたが、双方とも欠席した。3カ月にわたって使用を制限できる本命令が下されるのは、時間の問題であり、すでに本部機能の移転を進めている可能性もあった。

 しかし、今回の大規模な使用制限は、神戸市に本拠を置く山健組にとって、必ずしもデメリットばかりではないという。
「組員銃撃事件(8月21日)が起きた髙山若頭の邸宅が隣接する弘道会の重要拠点が“閉鎖”されて、ここに髙山若頭や弘道会勢が立ち入ることはできなくなった。当の総本部にも使用制限が掛けられたから同じことがいえる」(他団体幹部)

 そもそも神戸市内にある弘道会傘下は1団体のみで、一部は使用制限の仮命令が出ているが、山健組側は14団体が事務所を構えている。市内における組織数では、圧倒的に山健組のほうが多いのだ。
「神戸市内では勢力的に有利に見えるのは今に始まったことではないから、今回の件では、何より六代目山口組の指揮を執る髙山若頭が、山健組のテリトリー内に踏み込めなくなったことが大きいのではないか。結果的には、“肉を斬らせて骨を断つ”ことに成功したといえるだろう」(同)

 さらに、山健組本部への最高幹部を含む関係者の出入りがなくなったため、警察当局の監視の目も事実上、届きづらくなったといえる。
「警察は定例会なんかに集まるメンバーを見て、新たな組員が増えていないか確認しとるはずで、それができなくなれば組織の全体像は見えなくなるやろ。あとは『状』で昇格や処分の状況を判断するやろが、それも紙切れ1枚の話や。極論を言えば、直参全員が絶縁になって、表面上は親分一人の組織になった場合、警察当局はお手上げやで」(地元関係者)

 組員射殺事件の報復が山健組によって起きる危険性もある中で、当局の監視を逃れる方法が模索されているとしたら、次に起こり得る事態は何か。

 ある九州の組織関係者は、こう推測する。
「組織としての体をなさない団体に対して規制を掛けても、無意味だろうな。逆に言えば、『特定抗争指定』を受けた場合も組側は水面下で動くことができる可能性もあるというわけだ。実際に“地下潜伏化”が始まった場合、それは新たな報復戦に向けた準備とみていいかもしれん」

 山健組・中田組長は定例会の席上、全直参を前に「たとえ一人になろうとも山健組に残る」と、覚悟を示したことがある。それが“地下潜伏化”を意味するものではなかったにせよ、敵対組織と戦い続けるという強い意思表示だったことは間違いない。

 また、射殺された山健組系組員2人の通夜・葬儀に参列するため、中田組長が約1カ月半ぶりに姿を現したことも、山健組の結束強化に繋がったはずだ。
「髙山若頭が分裂終結への動きを本格化させる前に、神戸山口組側は行動に移すかもしれん。一部では、すでに山健組勢が弘道会の本拠である名古屋に潜り始めとるいう話も聞くで。まあ、噂にしかすぎんし、前にもあったような情報戦の一種かもしれんけどな」(前出・地元関係者)

 分裂後、抗争事件による神戸山口組側の死者は、池田組(池田孝志組長=岡山)から最高幹部1名、山健組から直参ら3名、元関係者や移籍者とみられる人物を含めると計6名にも上る。

 一部の死亡事件に対しては、報復とみられる襲撃も起きたが、六代目山口組側に死者は出ていない。
「神戸山口組が“敵”とする弘道会に、絶大な影響力を誇るのは髙山若頭だ。もし、その出所を待っていたとすれば、神戸側にとって本当の戦いはこれからなのかもしれない」(業界ジャーナリスト)

関連記事(外部サイト)